Tuesday, June 1, 2021

ペット業者に頭数やケージの広さなど規制導入…環境省、取り締まり強化へ - 読売新聞

 犬猫を扱うペット業者の繁殖・飼育方法に、飼育頭数の上限やケージの広さなどを規定した「数値規制」が1日から導入された。導入は準備期間を考慮して段階的に進められることになり、環境省は「多頭飼育」状態などの劣悪な環境でペットを飼育する悪質業者の取り締まりを強化する。

 数値規制は2019年に成立した改正動物愛護法の省令に基づく。小泉環境相は1日の閣議後記者会見で「自治体が悪質な業者に対し(数値を根拠に)レッドカードを出しやすくすることがポイントだ。自治体と一緒に新たな運用を支えたい」と強調した。

 数値規制は既存業者の準備期間を考慮。ケージの広さについては「犬猫とも縦は体長の2倍以上、横は1・5倍以上」「高さは犬が体高の2倍以上、猫が3倍以上」とし、導入は新規業者が今月から、既存業者が22年6月からとなる。繁殖年齢については犬猫とも原則「6歳まで」とし、新規、既存業者とも22年6月からの導入となる。

 従業員1人当たりの飼育頭数の上限については、新規業者が今月から繁殖業で「犬15匹、猫25匹まで」、販売業で「犬20匹、猫30匹まで」。一方、既存業者は段階的な導入で、22年6月から繁殖業で「犬25匹、猫35匹まで」、販売業で「犬30匹、猫40匹まで」となり、24年6月からは新規業者と同じ規制が適用される。

 数値規制導入の背景には、多頭飼育によりペットを虐待する悪質業者の存在や動物愛護意識の高まりなどがある。日本動物福祉協会の町屋ない・獣医師調査員は「日本の現状に即して、動物の福祉が担保される最低ラインだ」と評価する。

 一方、業者側の負担が大きくなるため、ペット価格の高騰などが懸念されている。ペット業者などでつくるペットパーク流通協会の上原勝三かつみ会長は「コロナ禍による需要の高まりも重なって既に1頭当たりの価格が上がっている」と指摘。「経営的に綱渡りとなって廃業する業者が増え、富裕層しかペットを飼えなくなるだろう」と反発している。

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June 01, 2021 at 06:07PM
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