この提案は、ロックダウン中の事件の増加に対処するために設置された、ペット盗難タスクフォースの報告書に盛り込まれた。
ペットの盗難は現在、飼い主の所有物の損失として扱われている。新たな法律によって、ペットが盗まれたことによる精神的苦痛を認めるのが狙い。
政府関係者や警察、検察、地方自治体などで構成するタスクフォースは、動物保護団体や活動家、学者、そのほかの専門家から、ペット盗難に関する証拠を入手。
その結果、昨年約2000匹の犬が盗まれたことが判明した。
また、警察が記録したペットの盗難事件の10件に7件は犬に関連したものだったことがわかった。
1968年の窃盗法は、窃盗に対して最高で禁錮7年の刑を定めている。しかし、量刑は盗まれたものの金銭的価値も加味して決定されるため、実際にこうした刑罰が適用されることはほとんどないと閣僚らは指摘する。
ペットの誘拐という新たな犯罪行為の最高刑がどのようなものになるのかは不明。
コロナ禍でペット需要高まる
タスクフォースは、動物慈善団体「ドッグ・トラスト」のデータを引用し、イギリスで最も人気のある5犬種の価格が、最初の全国的ロックダウンの最中に「大幅に」上昇したと報告。中には89%も高騰した犬種もあったとした。
ペット需要が高まったことで、犯罪者にとって犬の窃盗がより魅力的に映った可能性があると、タスクフォースは指摘した。
一方で、イングランド全域での最初のロックダウンが始まった後の2020年3月から8月までの間に、「子犬を買う」とのキーワードでグーグル検索した人が160%以上増えた。
タスクフォースのそのほかの提言は次の通り。
- マイクロチップを登録する際、特に所有者を変更する場合に追加情報を求める
- 迷子や盗難に遭った犬の追跡を容易にするため、マイクロチップの様々なデータベースにさらに簡単にアクセスできるようにする
- ペットの盗難に関するデータ収集・記録を改善する
- 犯罪防止策に関する認識を高めるための、警察やそのほかの機関による取り組みを促進する
タスクフォースはさらに、オンライン上のすべてのペット広告に対し、身分証明書の提示を義務付けることや、飼い主が自分の飼い犬を警察に登録する際に連絡先やマイクロチップ情報を登録できるようにすることなども検討した。
「単なる所有物でないと認める」
当局は、今回の提案が実現すれば、窃盗犯がペットを誘拐・販売するのがより難しくなるほか、警察が犯罪者を逮捕しやすくなり、犯罪者に下される判決や罰則が動物への影響を反映したものになると期待している。
プリティ・パテル英内相は、「ペットを盗むというのは、所有者家族に大きな精神的苦痛を与える一方で、冷淡な犯罪者が私腹を肥やすことになる恐ろしい犯罪だ」と述べた。
「ペットの誘拐を新たな犯罪行為にすれば、動物が単なる所有物ではないということを認め、こうした犯罪を犯すいまいましい人物を裁くための新たな手段を警察に提供することになる」
ジョージ・ユースティス英環境相は、ペットの盗難事件が増加しているとの報告は憂慮すべきことであり、飼い主が「ビクビクして暮らす」必要はないはずだと述べた。
英王立動物虐待防止協会(RSPCA)のクリス・シャーウッド代表は、ペットの誘拐という犯罪の「重大性」を認めるものであると評価し、「裁判所がペット泥棒に対してより厳しい判決を下すようになることを期待している」と述べた。
また、マイクロチップのデータベースの簡素化は、ペットの窃盗や動物福祉の問題、「無責任なペットの飼い方」への対処につながるとした。
動物福祉慈善団体「ブルー・クロス」のダイアン・ジェイムズ氏は、新しい刑法が「迅速に」導入されることを期待していると述べた。「飼い主の方々には、このいまわしい犯罪に遭わないよう、引き続き警戒し、アドバイスに従うようお勧めする」。
愛犬を守るヒント
- 公共の場で犬から目を離して放置しない
- 散歩ルートを変える
- 自宅で基本的なセキュリティ対策を講じる。庭では犬から目を離さない、門の施錠を確認するなど
- ソーシャルメディア上で愛犬の情報を発信しすぎない
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September 06, 2021 at 01:29PM
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英政府、「ペット誘拐」を新たな刑事犯罪に コロナ禍で盗難増加 - BBCニュース
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