ペットフード協会によると、日本で飼育されている犬や猫は全国で約1900万匹。犬も猫も室内飼育が増え、ペットというよりはコンパニオンアニマル(伴侶動物)として、家族同然の存在と思っている人は少なくない。15日発売の『210日ぶりに帰ってきた奇跡のネコ』(新潮新書)は、迷子になった犬や猫を捜してくれる「ペット探偵」の第一人者、藤原博史さん(50)の奮闘記だ。これまでに捜索した3千件の中からペットと家族をめぐる感動の実話を紹介している。
「いっしょに暮らす人にとって犬や猫は、子供や友達、親など1匹でいろいろな役目を果たす側面を持っている。それだけに、いなくなったときのつらさは深刻で、そうした思いをする人を一人でもなくしたかった」。藤原さんは執筆動機をこう語る。
空き巣が割った窓ガラスから逃走▽引っ越し翌日に消える▽連れ去られる-など、犬や猫が行方不明になる原因はさまざまだ。表題となった210日ぶりに帰ってきた猫は、飼い主が神奈川から大分へ引っ越した翌日にいなくなった。藤原さんの会社は神奈川県藤沢市にあるため、大分での捜索は出張費用もかかる。1回の依頼の捜索料金上限を100万円としており、みつかったのは捜索打ち切りぎりぎりのタイミングだったという。
ただ、捜索は“ハッピーエンド”ばかりではない。路上で死んでいるのを発見、飼い主の元に届けなければいけないこともある。どんなに手を尽くしても約3割はみつけられないままだ。「7割の発見率は高い方だが、個々の依頼者にとっては見つからなければ成果はゼロで、つらい思いが続くことになる。発見率を100%に近づけるべく努力しているが難しい」
幼い頃から生き物に関わる仕事に就きたいと思い、漁師などに従事。ある日、ペット専門の探偵になる夢を見たことをきっかけに、今の道に踏み出した。
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February 26, 2020 at 10:35AM
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