Thursday, February 13, 2020

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ペットライフセーバーズ:助かる命を助けるために

負傷したペットをどう救うべきか

一般社団法人日本防災教育訓練センター/ 代表理事 サニー カミヤ

サニー カミヤ

サニー カミヤ

元福岡市消防局レスキュー隊小隊長。元国際緊急援助隊。元ニューヨーク州救急隊員。台風下の博多湾で起きた韓国籍貨物船事故で4名を救助し、内閣総理大臣表彰受賞。人命救助者数は1500名を超える。世田谷区防災士会理事。G4S 警備保障会社 セキュリティーコンサルタント、FCR株式会社 鉄道の人的災害対応顧問、株式会社レスキュープラス 上級災害対策指導官。防災コンサルタント、セミナー、講演会など日本全国で活躍中。特定非営利活動法人ジャパンハート国際緊急救援事業顧問、特定非営利活動法人ピースウィンズ合同レスキューチームアドバイザー。

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救急医療に携わる消防隊員として住宅火災に対応する際、おそらくこれまでに体験したことのない状況に接することによって、われわれは一度にいろいろな判断を迫られることがあります。こういった状況で第一に考えるべき要素が二つあります。それは、風下など周囲への延焼や火災のリスクそのものです。

しかし、他にも考慮すべき多くの要素があります。家の中に人がいるかどうか? けがをしてはいないか? ありがたいことに、多くの場合、到着したときには、家に住んでいる人、つまり人間の居住者は、けがもなく安全に避難しています。

では、次のようなシナリオを考えてみましょう。住宅火災の現場に、あなたが最初の応急処置を行う人として到着したとします。消防隊は順調に消火活動を行っています。家の持ち主は無事に避難しており、救急医療を必要としていません。家族は消防指揮所のそばで心配そうに事態を見守っています。

突然、消防士がぐったりした犬と一緒に家の玄関から出てきました。消防士は、あなたを見て、こちらへまっすぐに向かってきます。

それと同時に、家の持ち主も急いで消防士に駆け寄ります。消防士があなたのところにたどり着くのと同時に、家の持ち主も消防士のもとにたどり着きます。消防士は、息はあるものの瀕死の状態の犬をあなたに手渡します。さあ、どうしたらよいでしょう?

犬や猫の顔やひげにやけどがないか、また、それと同時に皮膚に焼け付いた毛を注意深く点検する(写真提供:グレンエルマン)

米国動物虐待防止協会によると、米国では約7000~8000万匹の犬と7400〜9600万匹の猫がペットとして飼われているといわれています。これは、米国の家庭全体の約40%が犬または猫を飼っているということになります(注1)。これらのペットは、住宅火災の際に人と同じようにけがをしやすい状況に置かれています。

通常、EMS(救急隊員)は動物の手当ては行いません。また、上述のような状況における、緊急のペットのケアに関する一連の実施要綱もありません。しかし、米国の家で飼われる動物の数の多さと今日の建物火災の燃え広がるスピードを考えると、負傷したペットに現場で遭遇する可能性は現実問題となっています。

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