インドネシア・マカッサルで2019年12月、自由のない居住施設から外を眺めるロヒンギャ難民のモハマド・ジョナイドさん(手前)=北川成史撮影 |
ミャンマーでの迫害を逃れ、インドネシアで暮らすイスラム教徒少数民族ロヒンギャ難民らがいる。その一人で、権利保護を求めて活動するモハマド・ジョナイドさん(26)。インドネシアはイスラム教徒の人口が世界一多い国だが、難民らは苦境に置かれていると訴える。 (インドネシア中部スラウェシ島マカッサルで、北川成史)
古くから海洋貿易で栄えた港湾都市マカッサル。住宅地の一角に国際移住機関(IOM)が管理する二階建ての居住施設があった。
十三平方メートルほどの小さな部屋が七十六。アジアやアフリカの紛争国からの難民約百三十人が暮らす。一割をジョナイドさんらロヒンギャが占める。
ジョナイドさんはミャンマー西部ラカイン州出身。大学生だった二〇一二年、同州でロヒンギャと仏教徒少数民族の衝突が起きた。息子の将来を案じた両親が約三十万円相当で依頼したブローカーの手引きでオーストラリアに向かったが、密航船で移動中、インドネシア当局に拘束された。
インドネシアには国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に登録した難民が約一万四千人いる。ただ、同国は難民条約未加盟で、国際機関などの支援での居住は認めても、法的な地位は与えない。ジョナイドさんらは就労や夜間の外出を禁じられている。
「まるで監獄だ」。ジョナイドさんは顔を曇らせる。一二〜一四年、約一万人のロヒンギャがインドネシアに逃れたが、マレーシアなどに再び渡る人が相次ぎ、今いるのは千人程度だという。残っても心身に不調を来す難民は多く、ジョナイドさんが知る限り、一三年以降、四人のロヒンギャ難民が若くして病死した。
ジョナイドさんらオーストラリアを目指した難民にとって、同国が海を渡る難民の受け入れを厳格化したことも頭を悩ませている。
一九年八〜十月、ジョナイドさんらはマカッサルなど複数都市でデモを実施。UNHCRやインドネシア政府に難民の人権尊重に取り組むよう訴え、オーストラリア政府に難民政策の緩和を求めた。
ジョナイドさんが離れた後もミャンマーではロヒンギャ迫害が続き、一七年八月以降、七十万人以上がバングラデシュに避難した。
現在、ジョナイドさんは支援者を通じ、難民に比較的寛容なカナダでの定住を模索している。
「市民権を得て外交官になり、難民たちを助けたい」。希望を込めた言葉の中に、ロヒンギャらが安住の地を見いだせない現状への憤りがにじんだ。
◆無国籍状態 迫害や難民、度々発生
2017年9月、ミャンマー治安当局とイスラム教徒少数民族ロヒンギャの武装勢力による戦闘が続くラカイン州からボートで海を渡って逃れるロヒンギャの人々=ゲッティ・共同 |
仏教徒が9割のミャンマーで、イスラム教徒少数民族ロヒンギャは主に西部ラカイン州の北部に居住。ロヒンギャの人口は州全体の3分の1の約100万人とされる。
同国の国籍法は19世紀に英国の植民地化が進む前からいる先住民族に国籍を与える。ロヒンギャは自分たちを同州地域に根差す先住民族だと主張するが、政府は認めていない。多くが隣国バングラデシュからの不法移民扱いされ、無国籍状態に置かれて移動などの自由がない。迫害や難民も度々発生している。
同州で2012年、仏教徒少数民族ラカインの女性をロヒンギャが殺害したとされる事件を契機に両民族が衝突。10万人以上のロヒンギャが家を追われた。17年8月には、同州でロヒンギャの武装勢力と治安部隊が衝突。治安部隊の掃討作戦で殺害やレイプが起き、70万人以上がバングラデシュに避難している。
掃討作戦はロヒンギャへのジェノサイド(民族大量虐殺)に当たるとして、ミャンマー政府はオランダ・ハーグの国際司法裁判所(ICJ)に提訴された。ジェノサイドなどを犯した個人を裁くハーグの国際刑事裁判所(ICC)も捜査開始を決めている。
アウン・サン・スー・チー国家顧問はICJの口頭弁論で、ジェノサイドを否定したが、国際的な立場は厳しさを増している。
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February 12, 2020 at 12:53PM
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イスラム教徒数、世界一 インドネシアでもロヒンギャ苦境:国際(TOKYO Web) - 東京新聞
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