Friday, February 28, 2020

“我が家の味”を世界のアスリートに!「選手村の料理」全国から選りすぐったノミネート作発表 - www.fnn.jp

「選手村で提供するメニュー」募集に全国から多数の“作品”が!

東京五輪のメダルデザインを模し、海苔の五輪シンボルマークを添えた郷土料理の“いももち”。
…これは、「ゴールドいももち」として東京都の主婦・脇崎幸江さんが考案した、東京五輪・パラリンピックの選手村でアスリートらにふるまわれるメニュー候補の1つに選ばれた一品だ。

ゴールドいももち

大会組織委員会は2019年夏、選手村のカジュアルダイニングで提供するメニューの一部を、一般募集した。「食」の切り口から、東京大会に多くの人に参加してもらい、世界のアスリートに、日本の食の魅力を発信する狙いだ。

「東京2020みんなのフードプロジェクト」発表会見(2019年8月8日)

「東京2020みんなのフードプロジェクト」として、全国から715件の応募が寄せられた。
審査員を務めるのは、栄養士らに加え、オリンピアン、パラリンピアンや現役のアスリートたち。
メニューにまつわるエピソードや、栄養バランス、調理のポイントなどを総合的に審査し、2月28日、最終選考に進んだノミネートメニュー101作品が発表された。
6月以降には、この中から実際に、各国のアスリートにふるまわれる採用メニュー5作品が発表される予定だ。

家庭の味を世界のアスリートへ

ノミネートメニューを見てみると、各地の特産物を使った郷土料理や、栄養にこだわった1品など多彩だ。
なかには、我が家の食卓に並ぶ1品を、選手らにも食べてもらいたいと、各家庭ならではのレシピや、エピソードもある。

管理栄養士を目指す神奈川県の大学生、村上美羽称さん(22)の考案メニューは、「オリンピックカラーで応援!ダシ香る揚げ出し豆腐」。

オリンピックカラーで応援!ダシ香る揚げ出し豆腐

見た目でも楽しめるようにと、大根おろしを五輪カラーに彩った。
自宅にある食材で試行錯誤を重ね、青:茄子の茹で汁、黄:たくあんの汁、黒:昆布、緑:大葉、赤:柴漬けの汁から、色付けたという。
村上さんにとって揚げ出し豆腐は、母親との思い出が詰まった特別な料理。
中学時代は吹奏楽部に所属し、練習に疲れたり、上手くいかず落ち込んだ時、いつも母親が揚げ出し豆腐を作ってくれた。
「今日はこんなことがあってね…」食べながら弾む母との会話。だしの香りにホッとなり「明日も頑張ろう」と思えたそうだ。
今回のノミネート、静岡の母に伝えると喜んでくれた。
『選手にも、試合前一息ついてもらえたら…』食事で選手を応援したいという。

こちらは愛知県在住、友利千恵子さんのノミネートメニュー
歯応えシャキッとめちゃ旨!鶏胸肉で大根餃子」。

歯応えシャキッとめちゃ旨!鶏胸肉で大根餃子

競泳選手である高校1年生の娘(16)のために考案した料理だ。
コーチから「太るな、絞れ」と糖質制限を言い渡された娘。皮の代用に、白くて丸いもの…と思いついたのが、薄くスライスした大根。
具材は、豚ひき肉の代わりに、低カロリーの鶏胸肉を使用し、挽かずに刻むことで食べ応えをアップさせた。レンコンも混ぜ合わせ、もっちり、シャキシャキの食感も楽しめるという。
餃子好きの娘さんが試合前にリクエストし、好タイムが出ると「大根餃子のお陰かな…」と話す友利家の味。
アスリートの娘を支えるなか、五輪、パラリンピックの出場選手にも、大根餃子で、最高のパフォーマンスを発揮してほしいと願っている。

被災地の郷土料理で支援の恩返し

食を通して支援の御礼がしたいと、東日本大震災の被災地から応募し、ノミネートされたメニューもある。

福島県いわき市の高野美代子さん(70)は、3人の娘と一緒に「疲労回復!食欲増進!がんばっぺ飯!カツオの揚げ浸し」を応募した。

疲労回復!食欲増進!がんばっぺ飯!カツオの揚げ浸し

東京などへ嫁いだ娘3人とは、1日の出来事や夕飯の献立など、グループLINEで毎日連絡を取り合う仲。
メニューの公募を知った三女がLINEで伝えると「応募してみない?」と盛り上がり、「かつおの揚げ浸し」が夏場に良いのではと、すぐに一致した。
揚げたかつおを、しょうが醤油に漬けたいわきの郷土料理だ。

高野さんは、原発事故の影響で1年半余り、東京など各地を転々とし、避難生活を送った。
いわきへ戻った後、励まされたのが多くのアスリートらの訪問だ。
直接会うことはできなかったが、報道等を通じ、サッカー女子「なでしこジャパン」など、数々の選手の笑顔に、元気をもらったという。
震災から間もなく9年。今度は、戻ってきたいわきの海の味を、支援の御礼と共に伝えたい…元体育教師の高野さん。スポーツには特別な思いがあり、娘が当選したサッカーのチケットで、観戦を心待ちにしている。

高校球児も喜ぶデザートで選手を応援

長野県の田代雅子さん(56)が考案したのは、「日本の夏に負けない!心身ともにリフレッシュ甘酒とフルーツの疲労回復シャーベット」。

日本の夏に負けない!心身ともにリフレッシュ甘酒とフルーツの疲労回復シャーベット

キウイ、バナナなど、フルーツをカットして潰し、アルコールの入っていない甘酒、レモン汁を混ぜ合わせながら凍らせた。
災害からの復興へ向かう日本各地にある酒蔵。美味しいお酒を選手にも味わってほしいが、競技前はぐっと我慢か…。
そこで、「飲む点滴」と呼ばれるほど栄養価の高い甘酒を、シャーベットにすることを思いついたという。
田代さんは、アスリートフードマイスターの資格を持ち、県立高校の野球部員を食の面からサポートしている。体重の増量など、パフォーマンスを発揮するための体づくりに向け、食事管理などのアドバイスを行う。
暑い夏の練習後、部員らにシャーベットを差し入れると「美味しい」と好評だった。各国の選手にも、日本の甘酒を味わい、リラックスしてパワーを導いてほしい…と、田代さんは思いを込める。

101作品の中から、どのメニューが選手村でふるまわれるのだろうか。
競技の束の間、選手には、東京大会ならではの味を楽しんでもらいたい。

(フジテレビ報道局経済部 酒井志帆記者)

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February 28, 2020 at 03:40PM
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