閣僚も感染、政府の対策も後手で、「首都封鎖論」まで浮上
3月15日、インドネシア・バリ島の港で、外国人旅行客が出発時間が来るのを待つ中、消毒スプレーをして回る公務員(写真:AP/アフロ)
(PanAsiaNews:大塚 智彦)
インドネシアの首都ジャカルタのアニス・バスウェダン知事は3月14日、国内で拡大を続ける新型コロナウイルスによる肺炎の感染対策として、ジャカルタの全学校の2週間の休校とともに、公共博物館や娯楽施設なども27日まで閉鎖する緊急対策を発表した。
またユスフ・カラ前副大統領は今後も感染拡大が止まらない場合は「ジャカルタを封鎖することも考える必要がある」と述べ、首都封鎖に関して初めて言及した。
3月2日にインドネシア人の国内での初の感染者が確認されて以降、インドネシアでは次々と感染者が報告され、14日の時点では感染者96人、死者8人となっている。
東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟各国で2月以降新型肺炎の感染者、死者が刻々と伝えられる中、インドネシアは長い間「感染者ゼロ」を維持していた。このため政府も万全の感染対策をとる準備ができていないうちに初の感染者確認、そして拡大という事態を迎えてしまっている。
そのため地元マスコミからは「ジョコ・ウィドド大統領はより専門的な対策を講じる必要がある」(ジャカルタ・ポスト紙)などと厳しい指摘を受ける事態になっている。
感染者個人情報でも混乱
感染者の情報に関してもインドネシアでは事前にマニュアルや対応策が万全でなかった。そのため2日に発表された1人目、2人目の感染者について、居住地、年齢、行動範囲、職業まで明らかにされてしまい、ついにはネットで実名、写真まで拡散され感染者個人のプライバシーが暴かれる結果となった。
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March 17, 2020 at 04:00AM
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