新型コロナウイルスの感染拡大の中、外出自粛が出ています。「家にいよう」「STAY HOME」ですね。一方で、犬を飼っている人は、やはり散歩に行ったりします。そして、もし猫を外に出している人がいれば、この時期「ノミ」予防が重要です。ではなぜ、いま「ノミ」なのかを解説しましょう。
コロナ禍の中で起こっていること
飲食店の営業自粛が行われています。いままで、都会のネズミは飲食店が出すゴミを漁っていました。でも店が閉まっているので、ネズミは餌を探しにより広範囲に移動します。そのためいままで見なかったような場所にも現れる可能性が高まります。
そうなると、外に出している猫や散歩をしている犬にネズミのノミが移ることがあるのです。
ノミが活動を開始する気温は13~15℃以上です。最高気温がこの温度を超えている地域は、ノミの対策が必要となる時期ですね。猫や犬がノミに咬まれて、皮膚が赤く腫れるケースなどもありますが、それ以外にも「猫ひっかき病」やまれに「ペスト」など人畜共通感染症があります。
ノミによる人畜共通感染症
ノミを媒介に人にうつる感染症です。これは、「猫ひっかき病」と「ペスト」です。
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猫ひっかき病
病原体
バルトネラ・ヘンセレという菌
感染経路
人がこの菌を持っている猫にひっかかれたり、咬まれたりするとなります。ノミがこの菌を感染猫から他の猫に移す。
症状
人
・リンパ節が腫れる。
・発熱
・頭痛
猫
症状が出ないので、この菌を持っていても外からはわからない。
ペスト
日本では、1926年に患者、 1930年にネズミと人とネズミなどの発症がありましたが、その後はないです。しかし、海外では絶滅はしていません。
病原体
ペスト菌(Yersinia pestis)。
感染経路
ノミによる感染
菌を保有するネズミなどのげっ歯類などの小動物からノミを介して感染する。
アメリカにおける1970年以降のペストに関する疫学調査によると
・人へのペスト菌感染経路は病原体保有ノミ刺咬に基づく感染(78%)
・犬や猫などのペットなどを含む感染小動物の体液、組織からの感染(20%)
アメリカでは野生のリス、ウサギ、プレイリードッグ、ネズミなどが感染宿主です。
接触感染
・感染動物の体液やその組織からの接触感染。
・猫はペスト菌に感染して発症することが知られています。これはネコが保菌ネズミ等を捕食する際に感染します。
・一般的に犬はペスト菌に低感受性であると考えられていたましたが、海外で2014年に飼い犬から小規模の人の肺ペスト流行が報告されています。
飛沫感染
・肺ペスト患者や動物からの飛沫感染。
・アメリカでは、1977-1998年の間に報告された感染ネコからの感染事例のうち,肺ペストを発症しています。
潜伏期
腺ペスト:3~7日
肺ペスト:1~4日
臨床症状
人
腺ペスト:リンパ節炎、敗血症等を起こし、重症例では高熱、意識障害などがみられる。
肺ペスト:高熱、急激な呼吸困難や咳、鮮やかな赤い色の泡立った血が混じった痰を伴う重い肺炎、強烈な頭痛、嘔吐。発症から24時間以内に致命的になります。
致死率
適切な抗菌薬による治療が行われなかった場合、30%以上の患者が死亡。腺ペストでの死亡率は30~60%、肺ペストの場合はさらに死亡率は高まります。
特にヨーロッパでは「黒死病」として古くから恐れられてきてカミュの小説『ペスト』もありますね。絶滅した感染症ではなく、近年の流行は、アフリカ、南米で報告があります。
猫や犬がノミの咬まれたときの症状
犬や猫が咬まれたら以下の症状があります。
ノミアレルギー性皮膚炎
症状
・激しいかゆみ、湿疹、脱毛。
・犬や猫がアレルギー状態となり、皮膚炎をおこします。
・一度この病気になると、その後はわずかなノミの寄生でも皮膚炎に悩まされます。
瓜実条虫(サナダムシ)
症状
・下痢・嘔吐
・ノミが媒介役となる代表的な寄生虫症は瓜実条虫(サナダムシ)です。消化器系に寄生します。
・ノミの幼虫がサナダムシの卵を食べると、そのノミの体内で発育します。犬や猫がグルーミング等でサナダムシの卵を宿したノミの成虫を食べることにより小腸に寄生します。
・糞便や肛門の周辺に付着します。
貧血
・1匹1匹のノミが血を吸う量は少ないですが、大量のノミの寄生を受けると、特に子犬や子猫では貧血をおこす可能性もあります。
ノミの見つけ方
・ノミは体長2ミリ程度と、かなり小さいです。
・犬や猫の被毛の中に隠れ、動きもすばやい(ダニは動かないので、この辺りから鑑別できますね)。
・目の細かいクシなどで被毛を丁寧にすくと素早く動きものがいれば、ノミの可能性があります。
・被毛や猫や犬が寝ているあたりに黒っぽい小さい粒があれば、それは血を吸ったノミの糞です。
ノミの駆虫薬・予防
動物病院に行けば、ノミの駆虫薬があります。首に垂らすものなどもあり、簡単に駆虫、予防ができるようになっています。
ノミがついたら、シャンプーしたり、クシでといて排除するなどもあります。
まとめ
新型コロナウイルスの感染の拡大で、家に中にいる時間が増えました。それでも季節は巡ってきて、ノミが発生するシーズンになっています。ノミに咬まれてしまっては、痒いだけですまないのです。他にも「猫ひっかき病」やまれに「ペスト」などもあるので、やはり予防できるノミの駆虫はしっかりしましょうね。
犬の散歩はこの時期でも必要ですが、猫は完全室内飼いがいいですね。飼い主も犬も猫も健康でいられるように、科学的な知識をしっかり持って行動しましょうね。
参考のサイト
"ペット" - Google ニュース
April 28, 2020 at 06:00AM
https://ift.tt/3bIRNKp
コロナ禍でノミが発生しペットや飼い主に被害が… そのカラクリと原因になる動物とは?(石井万寿美) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
"ペット" - Google ニュース
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