静岡放送（SBS）
緊急事態宣言は、駿河湾の深海魚漁にも影響しています。魚料理を出す店が休業し、市場では高い魚に値がつきません。窮地を救おうと、深海魚を家庭へ直送するアイデアが生まれました。
沼津市の戸田、漁港は駿河湾深海魚漁の基地です。戸田には、深海魚を提供する料理店がありますが、緊急事態宣言の中で、店は閉まったままです。
深海魚の漁に出る船の数は減りました。
＜海光丸・山田浩二さん＞「コロナだよ。観光でみんな店閉まっているんだもの。何も売れない」
＜鈴木俊夫記者＞「コロナウィルスの影響で、飲食店が閉まっているため、深海魚が売れなくなっています。このピンチを救おうと、地域おこし協力隊の女性が立ち上がりました」
戸田地区担当の地域おこし協力隊隊員、青山沙織さんです。戸田を深海魚の聖地に、という運動を応援しています。
青山さんは、トロール船で朝4時に港を出て、深海魚の漁に連れて行ってもらいました。戸田港から15分ほど走った、駿河湾の深さ200mから300mの深海で、網を曳きます。網を沈めて40分ほど走り、巻き上げる。一回1時間ほどかかる漁を繰り返します。
＜青山沙織さん＞「とれた魚を漁港直送便ということで、みなさんの家庭に届けようと思っています」
いつもは、翌朝の沼津港の市場に行く深海魚を、この日は青山さんたちが、スチロール箱に詰めていきます。
オキギス、ユメカサゴ。港には、見慣れない魚が並びます。深海魚直送便は、戸田漁港では始めての試みです。
＜青山さん＞「市場につくタイミングと同じタイミングで、食卓に並べたら素敵。外に買い物にいけない。今が良いタイミング」
＜戸田漁協・筒井義文さん＞「（Q、実際にやってみて？）手応えあるね。戸田を元気にしてもらって、ありがたい」
送料込み、一箱5000円です。事前に注文した30人に送りました。箱によって中身は違います。
＜青山さん＞「好評で、たくさんの問い合わせが来るので。コロナの関係で船の出る回数が少なくなっているが、5月15日の漁期の終了までに、漁に出られれば随時発送したい」
新型コロナウィルスを乗り越えた先には、町のみんなで協力して、深海魚直送便を続けていけたら、と青山さんは期待しています。
静岡放送（SBS)
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