Tuesday, June 30, 2020

自分を誘拐した男と同じ部屋に閉じ込められて─インドネシア「誘拐婚」の闇(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース

インドネシア東部に位置するスンバ島には、現在でも「誘拐婚」の風習が残っている。誘拐婚とは、男性が妻にしたいと思う女性をグループで連れ去り、結婚を強要する風習だ。 これまで地域の伝統とみなされ黙認されてきたが、いま、この伝統に非難の声が上がっている。インドネシアの有力紙「コンパス」が報じた。

現場をとらえた動画が拡散

若い女性が泣き叫んでいる。上半身裸の5人の男たちが女性を担ぎ上げ、手足を押さえつけて、まるで肉の塊のように運んでいく──。インドネシア東部、スンダ列島に位置するスンバ島で6月16日に起こった事件だ。近所の女性が30秒ほどの動画を撮影し、SNSに投稿した。 インドネシアの有力紙「コンパス」は「地元住民はこの行為を“誘拐婚”と呼び、共同体に古くから伝わる習慣のひとつとみなしている」と報じる。 スンバ島の住民たちは公式には1世紀以上も前からキリスト教に改宗しているが、現在でも「マラプ教」という先祖伝来の宗教と巨石墓を信仰している。

宗教団体や人権団体からあがる非難の声

投稿されたビデオはすぐに、スンバ島の教会や女性団体、人権団体の怒りを引き起こした。インドネシア女性神学者連盟の地元支部書記ヘルリナ・ラトゥ・ケンヤは「コンパス」紙に次のように語っている。 「こうした行為はもう容認できません。人道に対する罪が女性たちを脅威にさらしています。彼女たちは、自分自身ではなんの決定権も持たず、訴えても無視されてしまうのです。きわめてゆゆしき事態です」 同紙は2020年1月にはすでに、スンバ島の「誘拐婚」を告発している。誘拐婚は2019年にも何度も起こっている。大ナタで武装した男たちが、なすすべもない家族や隣人の目の前で、若い女性を自宅から誘拐していくのだ。

「伝統」によって守られてきた犯罪

スンバ島で女性の権利のための活動をおこなっているサロミ・ランブ・イルは、誘拐は「ヤッパ・マラッダ」と呼ばれる非常に古い伝統だと説明する。被害者が助けを求めても、誰も手を差し伸べないのはこのためだ。誰もが強力な慣習に従っている。イルは憤慨する。 「女性は誘拐されるとすぐに、彼女を妻にしたがっている男性と一緒に、部屋の中に閉じ込められます。拒否すれば、手足を縛られ、誘拐にかかわった男たち全員からレイプされます。男たちは“手なずける”ためだという言い方をします。ほんとうに家畜のように扱うのです」 「コンパス」紙によれば、誘拐婚は女性に深刻なトラウマを植えつける。望まない妊娠が発覚し、自殺を図る女性もいる。ところが、これまで誘拐婚は実質的には司法の裁きを受けてこなかった。 被害者の家族や友人たちは慣習を破ることを恐れ、訴訟に消極的だ。結果として、地元警察も動かない。

女性の尊厳を傷つける人権侵害の廃絶へ

6月16日にSNSで動画が拡散されると、イ・グスティ・アユ・ビンタン・ダルマワティ女性の権利・児童保護大臣は、スンバ島でこうした慣習がいまだにおこなわれていることについて懸念を示し、調査チームを現地に派遣した。 「コンパス」紙は次のように主張する。 「6月16日の事件が、スンバの住民と地元当局の教訓となることを期待しよう。慣習や伝統など、理由はなんであれ誘拐婚は正当化できない。これは、女性の尊厳を深く傷つける人権侵害だ。“ヤッパ・マラッダ”をすぐに廃止しよう」

COURRiER Japon

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