前回は、ペトグラファー（＝ペットフォトグラファー）の湯沢さんからペット撮影のコツを学びました。せっかく撮った動画や写真は、きれいに編集して、家族や友人とのグループLINEや、SNSなどで共有したいもの。スマホ動画クリエイターとして活躍するpitacoさんに、オリジナリティーを出すための動画編集のテクニックを教えていただきつつ、2種類の動画を編集してもらいました。ワンランク上のペット動画を制作してみましょう！
スマホでできるペット動画編集テクニックの目次
スマホ動画クリエイター pitaco（ぴたこ）さん
ミニ枠番組制作、生放送運営など報道局勤務を経て、フリーの動画講師として活動。機械が苦手な方や超初心者を対象にした動画教室や、主に個人事業主の家庭教師としてオンラインレッスンを定期開催中。
カット割りやテロップで差をつけよう。愛するペットの魅力が引き立つ、3つの基本ポイント
① 余計な背景や情報はトリミングする
ペット動画の目的は、犬や猫の動きを見せること。スマホを持つ指の陰や、近くにいる人の影など、集中力がそがれる要素はトリミングでスッキリさせましょう。
トリミング前
トリミング後
② フィルターを使い色調を統一させる
動画全体の色調を合わせることも、クオリティーを高めるポイントの一つ。とはいえ、バラバラに撮った動画の明度や彩度を一つひとつ調整するのは大変です。全ての素材に同じフィルターをかけることで統一感が増し、おしゃれ感もアップします。
③ 寄り／引きのメリハリをつける
寄りのシーンや引きのシーンばかり続くと、単調な印象になり、見る人を飽きさせてしまいます。寄りと引きを交互に並べたり、景色などペットが写っていないカットを挟んだりして、メリハリをつけましょう。あえて写真を挿入するのもテクニックの一つです。
ペット動画「日常ほのぼのムービー編」のスマホ編集テクニック3選
ポイント① ポップなフォントを使う
「フォントは、動画の世界観を表現するための大事な要素です。テキストをしっかり読ませたいならゴシック体、スタイリッシュな映像を作りたいなら明朝体など、動画の目的や雰囲気に合わせてフォントを選びましょう」
多彩なフォントで動画のクオリティに差をつけるアプリ「mojimo」
ソフトバンクグループのフォント製作会社フォントワークスが提供する多彩なフォントをiPadやiPhoneで使えるようにしたアプリ「mojimo」。キャッチ系やデザイン系の書体を中心にセレクトされた魅力あふれるラインナップで、映像の仕上がりをワンランクアップさせる
ポイント② カラー枠を入れる
「誰でも簡単に動画が作れるように、動画編集アプリ内には、さまざまなテンプレートが用意されています。気に入ったテンプレートがあれば、それを使って編集してみましょう。今回は、テンプレートを使わずに、ピンクのカラー枠を入れてみました。このように、ベースカラーを決めておくことで、表現したい世界観が伝わりやすくなります」
ポイント③ トランジションのタイミングで効果音を入れる
トランジションとは、場面の切り替え効果のこと。動画編集アプリ内には「ディゾルブ」や「スライド」など、さまざまなトランジションが用意されています。
「トランジションに合わせて効果音を入れることで、場面の切り替えがより印象的になります。今回は、『スライド』のトランジションに合わせて、『シュッ』という効果音を入れました。これによって、スマホの画面を指でスライドしたときのような視覚効果を生み出せます」
主なトランジションの種類と効果
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名称 |
効果 |
|---|---|
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ディゾルブ |
前のカットの映像が徐々に消え、次のカットが映し出される切り替え効果。切り替えるスピードによって印象が異なり、速く切り替えると次のカットにインパクトが出て、ゆっくり切り替えると前のカットに余韻を残すような演出ができる。 |
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ブラックアウト／ホワイトアウト |
画面が徐々に黒または白になっていく切り替え効果。一連のシーンが終わり、新しいシーンが始まるときなどに用いられる。ブラックアウトとホワイトアウトどちらを使うかは、動画全体の色味に合わせて決めたい。 |
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スライド・押し出し |
前のカットの上に、後ろのカットがスライドして重なる形で切り替わるのが「スライド」。前のカットを後ろのカットが押し出す形で切り替わるのが「押し出し」。どちらも、ポップな編集をするときによく用いられる。このトランジションは「ペットがごはんをもりもり食べている」といった演出をしたいときにも効果的。おやつを食べて、別のおやつを食べて、また別のおやつを食べて……といったように、同じ動きを重ねることでおかしさを表現できる。 |
ペット動画「シネマティックムービー編」のスマホ編集テクニック3選
ポイント① 画面の上下に黒帯を入れる
「画面上下に『シネマスコープ』と呼ばれる黒帯を入れることで、映画のような雰囲気を出すことができます。最後にブラックアウトを使って画面を真っ暗にすると、エンディングが引き締まります」
ポイント② BGMに合わせてシーンを切り替える
「BGMに合わせてシーンを切り替えたり、ペットの動きの一部を早送りして緩急をつけたりすることで、テンポのいい動画に仕上がります。最初はアプリ内の音源で挑戦し、動画編集に慣れてきたら音源をインポートして、好きな音楽に合わせて動画を作ってみるのもいいでしょう」
楽曲の著作権に注意！
動画のBGMを選ぶときは、著作権に注意しましょう。私的利用目的以外の動画をSNSやYouTubeなどにアップする際は、日本音楽著作権協会（JASRAC）などの管理団体や、著作権を持つアーティストに利用許諾を得ないといけません。利用許諾を得ずに勝手に楽曲を使った場合、著作権侵害となり、罰則が科せられる可能性があります。著作権フリーの楽曲もあるので、迷ったときはそちらを使用しましょう。
ポイント③ テキストはシンプルに
「動画をスタイリッシュに仕上げたければ、テキストでの説明はなるべく控えましょう。今回は、2匹の躍動感あふれる姿に注目してもらえるよう、オープニングとエンディングのみテキストを入れました」
動画編集におすすめのスマホアプリ
pitacoさんおすすめの動画編集アプリは「VLLO」と「Adobe Premiere Rush」。動画の分割やトランジションの挿入なども感覚的に操作できるため、初心者でも簡単に動画編集が始められる。どちらもiOS／Androidに対応しており、無料でダウンロード可能（一部機能は有料）。
pitacoさんの編集術いかがでしたか？ 湯沢さんが撮影した素材をシンプルかつ魅力的なムービーに仕立ててくれました。
ペットとのかけがえのない時間を動画で記録しよう
写真や動画の良さは、ある瞬間の表情や動きを記録として残せること。数カ月後、数年後に見返したときに「楽しい1日だったな」と振り返ることができる作品を作れるといいですね。ペットとの思い出づくりのためにも、この記事を参考にして、動画撮影・編集を始めてみませんか？
スマホでできる、ペットの動画撮影テクニック
（掲載日：2020年11月11日）
文：佐藤由衣
編集：エクスライト
撮影：山野一真
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November 11, 2020 at 07:10AM
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