Tuesday, December 15, 2020

フェリシモが「猫グッズ」を作り続ける深いワケ - 東洋経済オンライン

「猫の肉球」の香りがするハンドクリームとは?

女性衣類を中心とした通販事業を展開するフェリシモ。猫グッズを展開する「猫部」では2003年6月から2020年11月末までで約4億3000万円の基金を、飼い猫のいない犬や猫の支援活動にあてている。写真は同社施設が提供しているスペースでの保護猫譲渡会の様子(写真:フェリシモ)

ここ数年、なぜか盛り上がっている猫ブーム。「猫駅長」などがメディアで取り上げられたり、SNSで猫の面白動画がPVやフォロワー数を集めていることも背景にありそうだ。猫を家族にする人も増えている。少子化や人口減でペットも家族の一員と見なされるようになったが、住環境面から、猫のほうが犬より飼いやすいなどの理由があるとされる。

また、猫の殺処分数も減少している。その陰にはいわゆる野良猫を保護したり、里親を見つける活動をしている、猫活動家の存在がある。彼らの共通する思いは「猫との共生をブームに終わらせない」ということだ。

フェリシモの「猫部」とは?

そうした猫にまつわる活動を、事業として行っている企業がある。

猫を飼っている人や、猫好きならすぐに思い当たることだろう。女性衣服や生活雑貨を中心とした通販の会社、フェリシモだ。同社には「猫部」という、猫グッズのみを扱う部署がある。同社の商品を象徴するものといえば「猫の肉球の香りがするハンドクリーム」。猫を好きな人であっても、なかなか思いつかない発想である。

そのほか、猫を飼っている人、猫好きの心をくすぐる商品を数多く企画してきた同部は2020年の9月28日で発足10年を迎えた。

なぜ、商品との関係が深いとはいえない猫の商品を、わざわざ組織までつくって扱うこととなったのか。部の立ち上げから関わってきた「猫部長」の松本竜平氏に話を聞いた。

「当社で『部活動』という制度が始まったのが10年前。水曜日の午前中、仕事に関係なく自分の好きなことをやってもいいという時間です。制度の意図は、社員が好きなことに熱く取り組むことで、世の中にないユニークな事業ができるのではないか、ということです。またトップダウンではなくボトムアップで、なんとなく事業につながっていけば、という緩やかな感じで設けられています。猫部もその一環として、猫好き6人が集まって始まりました」(松本氏)

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