Thursday, March 25, 2021

<くらしの中から考える>ペット(みんなの声) - 東京新聞

 新型コロナウイルスで家にいる時間が長くなり、新たにペットを飼う人が増えています。「ペットはかわいいけれど、安易な気持ちで飼ってはいけない」-。動物を大事にすることについて考えた5日の記事には、そんな子どもたちの決意のこもった声が寄せられました。縁があって迎えた命、寿命を全うするまで責任を持ちたいですね。

◆安易に飼ってはダメ

 愛知県豊田市挙母小学校からは五年生二十八人の意見が届いた。「癒やしを求めるという理由だけでペットを飼うのはやめた方がいい」と考えたのは鈴木斗真君(11)だ。「猫や犬、そのほかの動物にも感情がある。人間が捨てたり命を奪ったりすることを決めるのはおかしい」と主張。癒やしが欲しい人は代わりにペット型ロボットを飼ったり、猫カフェなどに行ったりすることを提案する。

 松下泰平君(11)は「きちんと飼い方を知らないと捨ててしまうことが増える」と指摘。自分がペットを飼うときは、事前に飼育を体験するなどして「本当に責任を持って飼えるか、何回も確認してから決めたい」と決意した。太田和希君(11)も「動物を大切にするとは、その動物が死ぬまでしっかりかわいがり、世話をすること」と気を引き締めた。

 ペット保険会社の「アニコム 家庭どうぶつ白書2019」によると、ペットの平均寿命は犬が一四・〇歳、猫が一四・二歳。二〇一七年度までの十年で、犬は〇・七歳、猫は〇・五歳延びた。人間の年齢に換算すると、三~五歳分も長くなったことになる。担当者は「室内飼育が増えたほか、健康に気を使った食事、医療の発展などが関係した」とみる。

◆「地域猫」の居場所を

 一方、五日の記事で紹介した「地域猫」の活動への意見も。同県長久手市の中学一年の女子生徒(13)は「アイデアは良いが、嫌がる人もいるのでは」と考えた。家の周りの野良犬や猫に追い掛けられ、とても怖そうにしている人を見たことがあるという。「せっかく動物に慣れてきた人でも、その経験で台無しになってしまうかも。憩いの場や幼稚園、猫カフェなどの場所を地域猫の新しい居場所にして、触れ合ったらいいのでは」とつづった。

 インコを飼っている岐阜県各務原市の小学四年、浅野ひなたさん(10)は、鳥インフルエンザの流行で、ペットが感染する可能性もゼロではないと思っている。「わたしもコロナにかかったら、インコに二度と会えないかもしれない。しっかり対策をしていきたい」と決意を新たにし、「コロナの中でも、悲しいことがあっても、気持ちを癒やしてくれるインコと、いつまでも幸せに暮らしたい」と願った。

◆みとりの覚悟を持って

 わが家には3匹の猫がいます。そのうち1匹は、前の飼い主が夜逃げして、ほかの数匹の猫たちとともに家に置き去りにされていました。今でも飢えた記憶があるようで、どこかに食べ物がないかと探すことがあります。ペットは病気にもなります。死ぬまでのみとりは、とてもつらいです。その覚悟があるか、飼う前に自らに問いかけてほしいです。 (長田真由美)

5日の紙面は「生活部コラボ企画」から「今月のテーマ」で、ご覧になれます。

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March 26, 2021 at 05:45AM
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