Plankton Air: 緊急時ペットを一時保護殺処分ゼロ命守る施設に災害、感染症想定金沢市新年度整備へ

Thursday, March 4, 2021

新たにペットの一時保護設備が整備される金沢市動物愛護管理センター＝金沢市才田町で

災害、感染症想定金沢市新年度整備へ

　金沢市は、災害時や感染症の拡大時などにペットを一時的に保護する施設を市動物愛護管理センター（同市才田町）に新年度、整備する。殺処分ゼロの取り組みを続けた結果、不要になったセンター内の火葬炉を撤去し、空いていたスペースが、ペットの命を守る場所として生まれ変わる。　（小佐野慧太）

　センターにある百平方メートル、高さ十二メートルの空きスペースに、二十平方メートルのプレハブ二棟を設置。緊急時に三十頭の動物を保護できるようにする。

　市は二〇一六年以降、犬猫の譲渡や不妊治療に対する助成などを進めている。殺処分ゼロの状況が続く中、センター内の火葬炉を撤去。巨大な空きスペースができ、有効活用策を検討していた。

　有識者らから災害時にペットを預かる施設の必要性を指摘されたこともあり、保護施設の新設を決めた。

　環境省は災害時、ペットと一緒に避難する「同行避難」を推奨している。ただ、避難時にペットが暮らすスペースを確保できるかといった課題がある。ペットが足手まといになる場合、市職員が避難先まで引き取りに出向き、新たな施設で一時保護することを想定している。

　市保健所がこれまで、新型コロナウイルス感染者からペットの一時預かりを求められた例はないという。ただ、感染症にかかった飼い主のニーズは被災者と同様に緊急性があると、市は判断した。

　市衛生指導課の一山善広課長は「緊急性がなければ原則として民間のペットホテルなどを利用してほしいが、想定外のことが起きて困ったとき、頼りにしてもらえれば」と話す。

　市は開会中の市議会三月定例月議会に、保護施設の整備費などとして動物愛護推進費千九百万円を盛り込んだ新年度一般会計予算案を提出している。