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今、環境にやさしい新しい農業のカタチが注目されています。作業の手軽さから障がい者の雇用促進にもつながっているというその秘密は、“おさかな”にありました。 次世代農業の発信拠点として今年オープンした農場。毎週、その新農法の見学会が開催されています。一見、普通のビニールハウス栽培のようですが、見学者の視線の先には、なぜか魚が。これは一体…。 アクポニ・齊藤弘田篤さん(37):「餌(えさ)やりをするだけで、魚と野菜が両方手に入る」 なんと、魚に餌をやるだけで野菜が育つというんです。その名も“おさかな畑”。 アクポニ・齊藤弘田篤さん:「魚に餌をあげる。その魚から排出されたアンモニア(フンなどが)微生物によって分解。分解されたものを植物が肥料として活用する」 餌を食べた魚のフンを微生物が分解し、野菜の栄養に。きれいになった水が再び魚の水槽に戻る、環境に優しい新農法です。 水槽の水替えをする必要がないため、通常の栽培より80%も節水が可能。 さらに、農薬や化学肥料を使わない環境へのやさしさから、海外で注目されているおさかな畑。 見学会を開催するなど、おさかな畑を日本で広める活動をしている濱田健吾さん(43)。メリットは、環境にやさしいだけではないといいます。 アクポニ・代表取締役、濱田健吾さん:「農業に携わってこなかった方や企業にも間口が広い」 魚に餌をあげるだけという簡単さから、副業として始める農業未経験者が増えているといいます。 去年、栃木県で農業を始めた青木一史さん(30)。約60万円をかけて、自宅の庭の一角をおさかな畑に改装しました。 副業で農業を始めた、青木一史さん:「農機具は使わない、手入れが楽、(水槽の)水換えもいらない。餌をあげるとおいしい野菜が採れる。素晴らしいシステム」 魚の餌やりや水温チェックなど、野菜の収穫がない日はわずか30分ほどで作業が終わるといいます。 青木さんは本業であるハンターの傍ら、副業としておさかな畑で育てた野菜を道の駅に出荷しています。 さらに、作業の手軽さから福祉の現場での導入も増えています。 去年、おさかな畑を導入した沖縄県の障がい者就労支援施設。利用者が育てた野菜は、施設が運営する弁当店へ出荷。ベビーレタスや小松菜などがお弁当に彩りを添えています。 ウェルフェアおきなわ代表・与那嶺一正さん(37):「一人ひとり責任を持って“いのち”を育てるという面で、とても生き生きと作業してくれます」 ウェルフェアおきなわ・施設の利用者「一生懸命作った野菜を幸せそうに食べてくれて皆、喜んでいます」 おさかな畑は魚や野菜だけでなく、働く喜びも育んでいます。
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September 05, 2021 at 04:42PM
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