災害時ペット救うには 浜松で「飼い主力」講座 - 中日新聞

ペットの防災対策を紹介する平井潤子さん＝浜松市中区の市防災学習センターで

　ペットの防災対策について考える講座「ペットと防災〜求められる『飼い主力』について考える〜」（中日新聞東海本社など後援）が二十二日、浜松市中区の市防災学習センターであった。同日未明に大分県と宮崎県で震度５強の地震が発生したばかり。ペットの飼い主を中心に約四十人が参加し、緊張感を持って災害への備えを学んだ。　（広瀬美咲）

　講師は、ＮＰＯ法人アイナス理事長の平井潤子さん（６０）が務めた。平井さんは、東日本大震災や西日本豪雨など被災地で国や自治体と連携したペット支援の経験がある。「災害で家族を亡くした人が『この子のために頑張る』とペットを心の支えにしていた。ぜひ皆さんでペットの防災対策を考えてほしい」と訴えた。

　平井さんは被災地での事例を挙げながら対策を紹介。台風や大雨などは短期間で天気予報などで予測しやすいため、あらかじめペット宿泊可のペンションを予約して避難したり、被害の恐れがない親戚宅に預けたりした例を挙げた。

　一方、地震や堤防決壊などは中長期の避難の想定が必要になる。「時間の経過とともに状況が変わるため、対策も変わる。引き出しを増やすことが臨機応変な対応につながる」と話した。

　避難所生活で、飼い主同士が助け合って飼育スペースを運営することや、ペットとはぐれた場合に備えて迷子札を付けておくことなど、役立った事例の紹介もあった。イヌ一匹、ネコ四匹を飼っている清水早織さん（５０）は「日頃から飼い主仲間と散歩中に情報交換することが、避難所でも協力し合うことにつながると感じた」と話した。

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