愛犬と一緒に利用できるコワーキングスペース（共有オフィス）「morinoba（モリノバ）」が18日、盛岡市中央通2にオープンした。市内の不動産会社が、多様な働き方の促進や犬を通じた交流の場をつくろうと、管理するテナントを改修した。動物と過ごせるコワーキングスペースは岩手県内に多くなく、同社は「新しい癒やしのライフスタイルやビジネススタイルを提供したい」としている。
開設したのはカントリー不動産。今年2月に古いアパートをペット仕様に改修するなど、ペットと暮らしやすいまちづくりに取り組んでいる。今回のモリノバもその一環だ。
同社では社員にペット同伴での出勤を認めている。自身も犬を飼っている里裕一社長が「自宅で留守番しているペットが心配」という社員に配慮して導入した。安心して仕事に打ち込む社員の姿を見て、「もっとペットと一緒に仕事できる環境があれば」とコワーキングスペースの開設を思いついたという。
モリノバは、画廊として用いられた後、1年以上空いていたビルの2階部分（約100平方メートル）を改修。八つの個室と最大10人が利用できるシェアスペースを用意した。一部の個室には可動式の仕切り壁が設置され、動かすと2部屋分の広さでも利用できる。
床材や壁紙は滑りにくく、傷や汚れに強い素材を使用。コンセントの位置を高くし、犬用おむつなどのアメニティーを完備したほか、各所にリードフックや脱走防止柵を設けるなど、犬に配慮した工夫が凝らされている。Wi－Fi（ワイファイ）や有料コピー機、フリードリンクなどの設備もある。
盛岡市でドッグホテルを営む佐藤陽一さん（38）は、仕事の打ち合わせなどでモリノバを利用するといい「市内では犬と一緒に出掛けられる屋内施設が少なく、仕方なく留守番をさせている飼い主が多いので、こういう施設はありがたい。犬にとってもいろんな触れ合いや経験ができていい」と歓迎する。
犬同伴でなくても利用できる。イベントスペースとしても貸し出し、月1回のペースで犬のしつけ教室の開催も予定している。里社長は「犬を介してさまざまな可能性を生み出す場所にしたい。ペットに優しいまち・盛岡を実現する起点になれば」と話す。
利用料金は個室が1時間2000円から、シェアスペースは同1000円から。犬を同伴しない場合は500円引き。営業時間は午前10時～午後9時。日曜・祝日は定休。問い合わせはモリノバ（019・601・7827）。【湯浅聖一】
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October 26, 2023 at 04:39PM
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