この記事では、ペット保険の乗り換え時に見直すべきポイントや注意点のほか、最適なタイミングについて解説します。
ペット保険の乗り換えをしたほうがいいケース
次のような場合には、ペット保険の乗り換えの検討をおすすめします。
保険料をもう少し抑えたい
ペット保険の保険料は、ペットの種類や年齢、保険会社やプランにより異なりますが、「フルカバー型・50%」のプランで一部の保険料を見てみると、幅があることがわかります。
■ペット保険の保険料の目安(フルカバー型・50%プランの場合)
犬種/年齢 |
A社 |
B社 |
C社 |
トイプードル/0歳 |
1,490円〜 |
1,590円〜 |
2,480円〜 |
加入時は低めだった保険料が高齢になるとかなり高額となります。
支払いが難しくなって解約せざるをえないケースもあるので、見直しの際に「払い続けられるかどうか」をあらためて検討することをおすすめします。
また、犬の場合は体のサイズが大きくなるにつれて保険料の値上がり幅が大きくなります。大型犬の場合は高額になりやすい傾向がありますので特に注意しましょう。
補償内容をもっと充実させたい
そのため、必ずしも現在の保険がベストな選択であるとは限りません。
最初は通院をメインに考えていたものの、後から高額な手術・入院費用に備えたいと考えが変わることもあるでしょう。
ペットのセレモニー費用(火葬など)や、足が不自由になった場合の車椅子費用を特約として用意している保険会社もあります。
現在の補償内容に不安を感じ、より適した条件のペット保険を見つけた際には、乗り換えるのもひとつの方法です。
補償内容が我が家のペットに合っていない
小型犬は膝蓋骨脱臼を起こしやすく、ダックスフンドなどの胴長犬は椎間板ヘルニアにかかりやすいなど、犬種や動物によって傾向があります。
自身のペットの種類がかかりやすい病気・ケガを把握して、それらが現在の保険の対象外となっているようであれば、乗り換えを検討しましょう。
受診機会が多く、保険金の支払回数を気にせずに利用したい
例えば、「診察は年間20回、手術は2回まで」と定められている場合、これを超えた場合は補償されません。
このタイプの保険に加入している人がほかの保険に乗り換える場合は、実際に補償の足りなかった診察回数や手術回数を振り返り、どのくらいの補償が必要なのかを確認します。
一方で、回数制限のないタイプの保険もあります。
このタイプの保険は「年間いくらまで」と支払限度額が設定されており、その範囲内であれば何回通院しても保険金が支払われます。
回数制限のない保険の中には、年間の上限金額とは別に、1日あたりの支払額に制限があるタイプとないタイプがあります。
受診機会の多い人には、1日あたりの支払額に制限のないタイプをおすすめします。
ペットがシニアになるにつれて上がる保険料が心配
増加率やパターンは保険会社によって異なりますが、1年ごとに保険料が上がるプランや、一定の年齢(3歳、5歳など)に達すると保険料が上がっていくプランなど、さまざまな種類があります。
若いうちの保険料は安くても、年々高額になります。
負担に感じるようになった場合は、早いタイミングで乗り換えを検討しましょう。
免責金額や補償割合の設定に不満がある
例えば、免責金額が5,000円に設定されている場合、補償対象となる診療費が5,000円以下の場合は全額自己負担となります。
そのため、治療費が免責金額を下回った場合は、保険金を受け取ることができません。
また、診療費が免責金額を超えた場合でも、その超えた部分に対する補償割合が適用されます。この補償割合は50%や70%が主流ですが、中には80%や100%のプランもあります。補償割合が高くなるにつれ、保険料も高くなる傾向にあるので、保険料との兼ね合いで選ぶといいでしょう。
免責金額や補償割合の設定によって、支払う保険料や受け取れる保険金の額が変わります。
また、計算方法も保険会社によって異なるため、現状の保険に不満がある場合は乗り換えをおすすめします。
保険金の請求方法が面倒
後日精算は、治療費をいったん全額支払った後、必要な書類をそろえて保険会社に送付し、審査後に保険金が振り込まれる方法です。この場合、必要な書類を準備し、保険会社に送付する手間が発生します。
さらに、請求書類に不備があった場合や特別な確認や調査が必要な場合は、時間が追加でかかることもあります。
また、窓口精算は、保険証を提示することで治療費から保険金が引かれ、自己負担額のみを支払う方法です。
しかし、窓口精算が可能な病院は限られており、対応していない病院では利用できない上、保険証を忘れた場合も窓口精算はできません。
このように、ペット保険の保険金の請求には手間がかかることが多いので、「面倒だな」と感じる人もいるでしょう。
近年は、Webやアプリを使って簡単に保険金を請求できるサービスを提供している保険会社もありますので、請求方法を乗り換えの条件に入れるのもおすすめです。
ペット保険を乗り換えないほうがいいケース
各ケースについて、詳しく見ていきましょう。
現在、病気やケガをしている場合
もし乗り換えられたとしても、乗り換え先のペット保険で、現在治療中の病気やケガが補償対象外となる可能性もあります。
乗り換えることで補償を受けられなくなる可能性があるため、注意が必要です。
過去に悪性腫瘍などの重いケガや病気をしている場合
既往歴がある場合は、乗り換え先の要項を必ずチェックしてください。
ペットが7歳を超えている場合
犬の場合は一般的に7歳を過ぎると「シニア」とされ、上限にかかる場合が多いようですが、保険会社によってシニアの定義は異なります。乗り換え先の保険会社が設定する年齢を確認しておくことをおすすめします。
7歳というと、まだ若いように思うかもしれませんが、犬の7歳は人間でいう44〜54歳程度にあたります。老化のサインや不調が出てきやすい年頃なので、健康管理に気をつけてあげてください。
なお、アニコム損害保険では、犬・猫共に8歳を過ぎるとシニアと規定し、アイペット損害保険では犬が12歳、猫が9歳を過ぎるとシニアとしています。
保険会社によって、シニア犬の定義が異なることがあるので、高齢のペットの場合は確認しておくといいでしょう。
ペット保険乗り換え時の注意点
どのようなポイントに注意すればいいか、詳しく見ていきましょう。
既往症・治療中の病気が補償対象かどうか
現在は完全に治っている状態でも、慢性的な病気の場合には注意が必要です。
ペットの加入時の年齢が制限にかからないか
そのため、「もっと早く乗り換えれば良かった」とならないよう、早めの段階で乗り換えを検討することが大切です。
現在加入中の保険と乗り換え先の保険の期間が重ならないか
更新時の条件が合っているか
これまでの保険金請求の状況や病院の受診状況などの理由により、更新不可となる場合もあるため、注意する必要があります。
乗り換え先の保険に待機期間があるか
待機期間とは、保険に加入した後、病気やケガが補償されない期間のことで、不正受給(病気であることを隠して保険に加入し、保険金を不正に受け取ること)を防ぐために設けられています。
多くの場合、待機期間は30日に設定されていますが、悪性腫瘍(がん)などは120日と長めに設定している保険会社もあります。
乗り換えの際には必ず時間に余裕を持ち、「無保険状態」になる期間がないようにしましょう。
ペット保険の乗り換えにおすすめのタイミング
タイミングを逃さないように覚えておいてください。
現在入っている保険の更新時
ただし、前述したように、タイミングを見誤ると待機期間にかかってしまい、無保険状態となってしまうこともあるため注意しましょう。
ペットの誕生日
特に「シニア」と呼ばれるようになる7歳の誕生日は注意してください。
乗り換えを検討している場合は、遅くても誕生日の半年くらい前には調べ始めるようにするのがおすすめです。
ペット保険のクーリングオフ制度について
クーリングオフ制度とは、一定期間内であれば、契約の撤回ができる制度のこと。
具体的には、「保険契約を申し込んだ日」または「重要事項説明書を受領した日」のいずれか遅い日から8日以内であれば、クーリングオフが可能です。
クーリングオフの申し出方法は保険会社によって異なりますが、多くの場合、期間内(8日以内の消印有効)に郵便(はがきまたは封書)で通知を行います。
保険証券が届いている場合は、保険証券も返送する必要があります。代理店ではクーリングオフをすることはできないため、必ず保険会社に直接通知をしましょう。
なお、すでに保険金を受け取る事由が生じているにもかかわらず、知らずにクーリングオフの申し出をした場合は、その申し出の効力は生じません。
クーリングオフの申請に必要な記載事項は、下記のとおりです。
<クーリングオフの申請に必要な記載事項>
・クーリングオフをする旨の内容
・契約者の住所・氏名、捺印または署名、電話番号
・契約を申し込んだ年月日
・契約を申し込んだ保険の内容・証券番号
・契約を申し込んだ動物の種類・品種
・契約を申し込んだ代理店名
なお、クーリングオフによって損害賠償や違約金が発生することはないため安心してください。
ペット保険の乗り換えは余裕を持って行おう
ペット保険の乗り換えの際には、保険料だけではなく、補償内容などさまざまな条件をもとに検討することをおすすめします。
また、一番気をつけなければいけないのが、乗り換えのタイミングです。
待機期間を考慮した上で、無保険期間が発生しないよう、くれぐれも注意してください。
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November 22, 2023 at 03:07PM
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