災害では人とともにペットも困難に直面する。被災ペットの救援活動は29年前の阪神大震災を契機に本格化した。国はその後、一緒に避難する「同行避難」を推進する指針を作ったが、周囲に気兼ねして避難をためらう飼い主もいる。避難所でペットと過ごす際の注意点や、飼い主に求められる備えをまとめた。(久場俊子)
阪神大震災では兵庫県内で推計約9300匹の犬や猫が被災。神戸市獣医師会などは発生後に動物救援本部を設置し、保護活動や治療を担った。
2011年の東日本大震災でもペットが取り残されたり、避難所に連れてきたペットを巡って周囲と摩擦を生んだりするケースがあったため、環境省は13年に指針を策定した。同行避難や飼い主による世話を基本としつつ、飼い主の役割として日頃の健康管理、餌や薬の備蓄を推奨。自治体には避難所での受け入れ態勢の整備や放浪動物の保護を求めている。
能登半島地震では石川県獣医師会が8日に対策本部を設置し、ペットの一時預かりや被災動物のための募金を開始。県も保健福祉センターに電話相談窓口を開き、保護動物を写真付きでホームページに掲載している。日本獣医師会(東京)の危機管理統括、佐伯潤さんは「地震に驚いて逃げたり置いてこざるをえなかったりしたペットの保護なども必要になってくる」と語る。
被災地では避難所や車でペットと過ごす飼い主もいる。「家や家財を失った被災者にとって、動物の存在は大きい。ぺットとの絆の維持も大切な被災者支援だ」と佐伯さん。「希望が持てるよう、仮設住宅でも一緒に暮らせるようにしてもらいたい」と訴える。
避難所で飼い主はどんなことに注意すればよいだろう。
動物の飼育場所を事前に想定しているかは、避難所によって異なる。人と動物の防災を考えるNPO法人アナイス(東京)の理事長、平井潤子さんは「動物アレルギーの人や動物が苦手な人に配慮し、避難所では居場所や動線を分ける工夫を」と呼びかける。飼い主は気になりにくい抜け毛やにおいも意識したい。服に付いた毛は粘着テープやぬらした手で取り除ける。
ストレスからペットも食欲不振や下痢を起こしやすい。「いつも以上に様子を見て、声かけやスキンシップをしてあげてほしい」と平井さん。「被災地では獣医師らによる巡回も始まっており、心配事などを相談する機会にしてもらえれば」と話す。
非常時の餌の備蓄を
日頃の備えも点検しよう。災害は自宅にペットしかいない状況でも起きうる。まずは家具類の転倒対策を徹底したい。非常時の餌なども飼い主が用意しておく必要がある。環境省の指針は、少なくとも5日分のペットフードや水の備蓄を勧めている。普段のしつけも重要だ。ケージや家族以外の人に慣らしておくと、いざという時にペット自身のストレス軽減につながる。
過去の災害では多くのペットが迷子になった。22年6月施行の改正動物愛護管理法で、販売前のペットに飼い主情報を登録するマイクロチップ装着が義務化された。既に飼育中の場合も努力義務があり、動物病院で装着できる。
避難訓練にペット連れで参加するのもいい。愛知県豊橋市が昨年7月、初めて実施したペット同行の訓練には飼い主ら約40人に犬3匹、猫1匹などが加わった。市生活衛生課長補佐で獣医師の小野剛さんは「実際の飼育場所が動物に適切かを確認でき、地域住民に『ペットも避難所に来るんだ』と知ってもらえる機会にもなる」としている。
災害時のペットの対応について、横浜市や長崎県など、独自に指針を策定している自治体もある。神戸市は昨年8月に作成。市獣医師会が監修し、飼い主向けに災害時に役立つしつけや、避難所での飼育方法なども盛り込んだ。
震災で自宅が全焼し、経営する動物病院も全壊した同会長の中島克元さんは「災害時は誰もがパニック状態になりかねない。避難所でのトラブルを避けるためにも、むやみにほえないなど普段のしつけが大切」とし、「被災者にとって、ペットは『この子のためにもがんばろう』と思える最後の心の支えになることを知ってほしい」と話す。
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January 17, 2024 at 04:00AM
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「ペットと避難所」注意点は?国は同行避難を推進、抜け毛・においにも意識を - 読売新聞オンライン
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