上越市の柿崎ブーシェリー(森本祐造代表)は、地元で獲れたイノシシやシカなどを解体し食肉加工する施設。今年2月には同市の料亭、長養館でジビエ(狩猟肉)料理の食事会が開かれ、同工場で処理した肉が使われた。東京都内の1つ星レストランにも卸している同工場では、現在、ジビエのペットフードがブームなことから、将来的には商品化を目指している。
同工場がある同市柿崎区ではイノシシによる農作物被害が問題になっていたため、銃で撃ったり、わなを仕掛けたりしてイノシシを捕まえている。無駄な命を出さないように活用したいと森本代表の自宅敷地内に工場を建設した。地元住民や新潟市の飲食店関係者4人で立ち上げ、2017年12月末から稼働している。森本代表は狩猟免許を持ち、自らも獲物を捕らえる。九州と石川県のジビエの食肉処理施設で研修を受け、解体技術を身につけた。
ジビエは高級料亭やフレンチなどで使われる高級食材。匂いや硬さが気になるというイメージがあるが、イノシシ肉は高たんぱく低カロリーでヘルシーであることも特徴。「魚で言えば、天然マグロと養殖マグロのどちらがおいしいですか」と森本代表は言う。その意味では、ブタやウシは養殖のようなもので、ジビエは天然だということになる。「アンテナの高い人はジビエを食べるのがブーム。一般にも広がっている」(森本代表)。
同工場では、イノシシの他にもシカやクマも解体する。イノシシを中心に年間40頭ほど解体している。「クマはジビエの王者と言われる。薄く切って鍋にしたり、フレンチやイタリアンではローストにしたりする」(森本代表)。
現在、上越市内のフランス料理店や新潟市内の料亭のほか、東京都内の1つ星レストランにも提供している。森本代表は新潟市1店舗と東京に2店舗、カレー専門店も経営しており、イノシシの骨でフォン(出汁)をとったり、肉はミンチしてカレーに入れたりしている。
また、ペットフードの分野でジビエがブームになっていることから、これまで匂いの問題などで商品にならなかったものを将来的にはペットフードとして商品化したい方針だ。
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March 17, 2020 at 08:01AM
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新潟県上越市のジビエ加工施設がペットフード商品化を目指す - にいがた経済新聞
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