インドネシア政府が新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるため、全国的な移動制限に踏み切る。イスラム教の断食月(ラマダン)明けの帰省を禁じる措置を同国がラマダン入りの時期である24日から前倒しで始める。当初の自粛要請から方針転換した。ただ、失業などで都会での生活を続けられない困窮者も多数存在する。対策の実効性は未知数といえる。
東南アジア最大の人口2億7000万人のうち、9割をイスラム教徒が占めるのインドネシアでは、ラマダン明けを祝う大祭(レバラン)に合わせて帰省する慣習がある。毎年2000万人が移動するとされ、政府は地方への感染拡大への危機感を強めてきた。
運輸省はジョコ大統領が21日に帰省の禁止を表明したのを踏まえ、措置の具体的内容を発表した。物流を除くジャカルタ首都圏からの人の出入りを禁止する。鉄道やバスの運行も大幅に減らしており、各地に検問所も設置する。違反者には禁固1年か罰金1億ルピア(約69万円)を科す可能性がある。罰則適用は5月7日から始める。
すでに公務員や軍・警察関係者の帰省を禁じ、5月26日~29日に予定していたラマダン後の一部連休も12月28日~31日に移したが、一般市民に対しては自粛要請にとどめていた。ジョコ氏がラマダン直前に帰省の全面禁止へと方針を転換した理由は運輸省の世論調査だ。政府の自粛要請を受け、68%が帰省を中止する方針と回答した一方、24%がなお帰省する意向であることが分かったのだ。
感染拡大を抑えるにはジョコ氏の決断が遅かったとの批判もある。政府は20日から、ジャカルタで低所得の120万世帯への食料無料配布を始めた。庶民の不満を和らげるため、現金給付なども組み合わせた対策の浸透を待つ必要があった。しかし、運輸省の調査では回答者の7%がすでに帰省済みだ。同国の感染者数は22日夕時点で7418人と地方への感染も広がっている。
メッカとメディナというイスラム教の二大聖地を抱えるサウジアラビアも難しい対応を迫られている。宗教当局は20日、メッカとメディナにあるモスクでの礼拝をラマダン中も停止すると発表した。一方、ロイター通信は22日、サルマン国王が両モスクでラマダン中の夜の特別礼拝を規模縮小を条件に認めたと伝えた。
国王は二大聖地の守護者を自任している。表向きの「停止」発表とは裏腹に、礼拝などの義務を果たしたいイスラム教徒の要望を無視できなかったとの見方もある。
主要都市での外出禁止措置もラマダン中は緩める。国営通信によると、必需品の買い出しが認められる時間帯を午前9時~午後5時までに変更する方針だ。現状の午前6時~午後3時よりも日中の外出可能な時間を広げる。一連の対応で感染拡大を食い止められるかは不透明だ。
(ジャカルタ=地曳航也)
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April 22, 2020 at 04:00PM
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インドネシア、帰省禁止24日から 断食月明け待たず - 日本経済新聞
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