Wednesday, April 15, 2020

ルーツは「第二の三井物産」、食品開発で存在感 - 日本経済新聞

2019年の年の瀬、北海道函館市の中小企業14社が得意とする食材を持ち寄った「函館お節」が人気を博した。函館名物のイカ料理を多く使い、2種類、合計600個が完売した。おせちを企画したのは食料品・建設資材卸の第二物産(函館市)の子会社。北海道の豊富な食資源を生かす開発が身上だ。

第二物産子会社のエムティーコーポレーションが開発したポテトスナック

第二物産子会社のエムティーコーポレーションが開発したポテトスナック

同社が設立したエムティーコーポレーション(同市)は18年に発売したスナック菓子「函館塩辛ポテト」から食品開発を本格的に始めた。スティック状の揚げたジャガイモに布目(函館市)のイカ塩辛フリーズドライの粉末をまぶし、うまみが深い。エムティーの田仲真人社長は「熱いジャガイモに塩辛をのせる北海道料理にヒントを得た」。

ジンギスカン料理や山わさび、焼きトウモロコシ、羽幌町産甘エビと、北海道の郷土料理や食材を味付けに使って次々に発売してシリーズ化。北海道内外のコンビニやスーパーなどで販売されるまでになっている。

第二物産は太平洋戦争終結後の1948年に設立された。財閥解体の対象が三井物産に及び、物産の函館支店に勤めていた社員らが「第二の三井物産」をめざして旗揚げした伝統を持つ。その後は三井グループではなく、地場の商社として根を張ってきた。

当初の食品・資材取引だけでなく、インフラ整備にも積極的に参画。創業者の田中誠一郎氏は函館商工会議所会頭、青函トンネル資材協力会会長、函館空港ビルデング会長などを務めた。現在の田中雅世社長は誠一郎氏の孫娘にあたり、社長としては6代目だ。

19年3月期の売上高は約18億円。食品(穀物・豆、砂糖、食用油、缶詰など)とそれに関連する業務用洗浄剤、殺菌水生成装置と、鉄鋼・金属製品、土木関係の資材・機械など多岐にわたる。

各企業の物流施設が集まる函館市西部の流通センターに本社兼倉庫を持ち、函館とその周辺の顧客には受注当日に配送できる態勢をとる。とはいえ競争は激しく、道南地区は人口減少や建設市場の先細りが予想される。そこで目を付けたのが食品の開発だった。

10年ほど前、社外から「北海道らしい独自商品を開発する製造卸会社をめざしてはどうか」と助言され、進出を決めた。スナック菓子では味付け粉をまぶす工程や包装を函館の企業に委託するなど、広いネットワークを生かして拡大してきた。

エムティーは北海道の農業高校生が育てた野菜を使ったAIRDOの機内販売向けスープカレーの開発にも携わった。「北海道の農水産業や企業を活気づけつつ、収益をめざす」(田仲社長)。ジャガイモなど各種野菜の皮むきなどを請け負う加工場を開設し、食材の加工・供給能力も磨く。

新型コロナウイルスの感染拡大で土産物や北海道物産展への依存度が高い道南の食品産業は大きな打撃を受けている。旅行を自粛している消費者向けには通販などで目玉になる食品をと、逆境を乗り切るための新規開発に乗り出している。

(伊藤政光)

大手チェーン台頭、地方卸も競争激化 メーカーから商品を仕入れて小売店へ供給する卸会社は、調達や物流を代行する。食品全般のほか菓子、酒類さらに医薬品などそれぞれ得意分野があり、事業エリアにより全国卸、広域卸、地方卸のカテゴリーに分かれる。
 日本経済新聞社による「2018年度日本の卸売業調査」対象企業だけでも約900社(総合商社、メーカー販社、共同仕入れ会社、生鮮卸を除く)。ドラッグストアを含む大手チェーンの台頭、地方の人口減少に合わせ、卸業界も再編や品ぞろえフルライン化といった動きが進んでいる。

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