大反響で地上波オンエア
ドキュメンタリードラマ「猫探偵の事件簿」が4月3日夜、NHK総合で放送された。じつはこのドラマ、2018年にBSプレミアムで既に放送されている。視聴者による高評価と再放送リクエストが絶えることなく、異例の地上波オンエアが決まったという。
高評価の理由のひとつは、失踪した猫を探し出す4つのエピソードがいずれもリアリティに満ちているからだろう。それもそのはず、甲本雅裕さんが演じた「探偵フジワラ」は実在するペット探偵の藤原博史さん(51)をモデルとしており、エピソードもすべて実話なのだ。
藤原さんは1997年、ペットを専門に捜索する会社を神奈川県に設立。依頼があれば猫はもちろん犬や鳥、ウサギにフェレット、爬虫類や昆虫まで捜索を請け負ってきた。これまで手掛けた捜索は約3千件、全国各地に出張しながら一匹ごとに異なる失踪状況や性格などを細かく分析し、居所をつかんでいく。
かなり過酷とも思える仕事をなぜ選んだのか。なぜ7割という高確率でペットを発見できるのか。藤原さんによると、生き物を友だちとしていた自身の「野良時代」に学んだことが大きく関係しているという。その風変わりな半生を、近著『210日ぶりに帰ってきた奇跡のネコ ペット探偵の奮闘記』からご紹介してみよう。
「神戸で生まれ育ち、もの心ついたときからずっと虫や動物に興味がありました。地面を這いずり回るようにして虫を探し、追いかけ、すっかり同化してしまうのです。
家でもいろんな生き物を飼っていました。アリやチョウ、クモ、カブトムシなどあらゆる虫を捕まえると、お菓子の空き箱などを使って飼育するのです。
小学校へ通うようになると、いろんな生き物を連れて行きました。常にポケットにヘビやトカゲなどを忍ばせていたので、授業中にそれが逃げ出して、クラス中が大騒ぎになることも日常茶飯事です。
もちろん犬や猫にも興味を持ちました。給食で出るパンは必ず残しておき、野良犬にあげるために持ち帰ります。それを机に隠していたら、何日も貯め過ぎてカビを生やしてしまい、ついに机の中に教科書が入らなくなったことも。
先生に見つかって、授業参観の日にすべて引っ張り出され、『こんなことをしている生徒がいます!』と叱られたのは苦い思い出です」
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