Friday, July 10, 2020

インドネシアのコロナ感染死者数、公式統計に疑問 実際は政府発表の約5倍という報道に衝撃 - Newsweekjapan

<新型コロナの感染者・死者ともに東南アジア最多となっている国が、実はその数倍の死者を出しているという......>

新型コロナウイルスによる感染拡大が一向に収まらず、右肩上がりの感染者数、感染死者数の増加が終わりのないかのように続いているインドネシアで、衝撃的な数字が報道された。

7月9日雑誌「テンポ」の電子版が「もてあそばれるデータ」と題する記事で、毎日午後3時過ぎに保健省が公表している過去24時間の新規感染者・死者と累計の感染者・死者数について「実態を反映していない」と指摘したのだ。

そして世界保健機構(WHO)の基準に従った集計方法によれば、保健省が公表している累計感染死者数は過小数字で、実際の死者数は「保健省発表の約5倍になる」という衝撃的なニュースを伝えたのだった。

同誌によると、インドネシア政府部内には保健省が統括する統計収集チームとは別に「コロナ対策本部」が設置されており、双方がまとめる数字に大きな差異が生じているというのだ。

感染症の専門家などで構成される「コロナ対策本部」は死者の数字をWHOが採用している基準に基づいて独自集計しているため統計結果の数字が異なっている、という。

保健省「陽性の感染死者のみカウント」

保健省の統計データは、その人物が死亡した時点でコロナ検査で陽性と判定されていたかどうかを判断の基準にしている。

つまり保健省は検査結果で陽性判定が出ていた感染者が死亡したケースに限って「感染死者」としてカウントするという方法をこれまで採用している。

これに対し「対策本部」はコロナウイルス感染に酷似した症状で死亡した患者、さらにコロナ感染の疑いがあるため監視下においているものの陽性判定がでる前に死亡した患者も「感染死者」として計上する方法を採用している。

これは患者の症状が重症化、悪化する前に全ての患者がコロナ検査を受ける訳ではないという状況を勘案すれば、「対策本部」の統計の方がより実数に近い「感染死者数」となることは誰の目にも明らかといえる。

こうした「対策本部」の統計数字はWHOの基準に従っているということで国際的な数字の比較検討にも使える「グローバル・スタンダードに基づく統計データ」となる。


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