それぞれの最終楽章・ペットとともに（８）
特別養護老人ホーム施設長 若山三千彦さん
これまで私が見た「ペットによる看取（みと）り」についてお話ししてきました。もしかすると多くの方は、それぞれの話を、普通はあり得ない特別なことだ、と受け取ったかもしれません。でも、そうではないのです。ペットを大切な家族である、と考える人にとっては、ペットに看取られたいと考えるのは自然なことです。
第1回で紹介した山口さんと愛犬チロの話でも、山口さんが入院を拒んでまで一緒にいたいと望んだ相手が「犬のチロ」だったから、普通ではないと感じられるでしょう。しかも、入居したのが全国でも珍しいペットと一緒に暮らせる特別養護老人ホームですから、ますます特別なことに見えてしまいます。しかし、チロを「家族」という言葉に置き換えてみたらどうでしょうか？
末期がんの宣告を受けた人が、最期の時間を家族と一緒に過ごすために、できる限り自宅で過ごすことを選ぶのは決して珍しくありません。実際に、うちのホームの入居者様ががんと診断された場合、多くの方が積極的治療を望まず、最期の時間をホームで過ごすことを選ばれています。そして最期が近づくと、ご家族は部屋に泊まり込んで看取ります。
家族に看取られて旅立ちたいと…
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「家族＝ペットに看取られて逝く」 願いが叶う世の中に - 朝日新聞デジタル
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