Wednesday, December 30, 2020

【石川】魚(ウオ)っ!!海中の攻防 ど迫力 能登沖釣り動画500万回再生 - 中日新聞

マリンチューブの動画「泳がせ釣りの衝撃捕食シーン100連発」の一幕

マリンチューブの動画「泳がせ釣りの衝撃捕食シーン100連発」の一幕

  • マリンチューブの動画「泳がせ釣りの衝撃捕食シーン100連発」の一幕
  • 「動画による魅力発信で能登の海に恩返しをしたい」と語る岩本祐太さん=石川県能登町宇出津沖で

Uターンの30歳 魅力発信


 魚たちが警戒しながら釣り糸の餌に食い付く。そんな海中の攻防を捉えた映像の数々が、インターネットで累計五百万回再生を超える人気を集めている。石川県能登町沖の海を舞台に独自技術で撮影しているのは、五月に横浜市から同町宇出津にUターンした岩本祐太さん(30)。「豊かな魚がすむ能登の海の魅力を世界に伝えたい」と、カメラ片手に海に繰り出す。 (加藤豊大)

 水深五五メートルの海底近くに餌の小アジを垂らすと、体長が倍以上のアオハタ二匹が様子をうかがうように近づく。静寂の後、突然、カサゴが現れ「アジを捕食!」(字幕より)。丸のみするのをアオハタは近くでぼうぜんと眺める−。

 動画サイト「ユーチューブ」の岩本さんのチャンネル「マリンチューブ」で、九十五万回以上再生の人気動画「砂場でアジの泳がせ釣りをしてみたら色んな魚が食いついた!?」(長さ十三分半)の一幕だ。チャンネルには同様の「釣り水中映像シリーズ」が約五十本投稿されている。

 加工した金具で釣り糸にアクションカメラを取り付け、餌を中心に間近で魚との駆け引きを捉えるのがみそ。「実は海中では餌は見切られていることも分かる」という。「どうやって撮影したのか」と海外からコメントも寄せられる。

 幼いころから大の釣り好き。珠洲実業高(現飯田高)時代は、学校近くの釣り具店に預けたさおを部活動の終わりに受け取り、岸に出ることも。金沢工業大を経て慶応大大学院に進学し、計六年間情報技術(IT)を専攻。都内のIT企業二社で働いた。

 新型コロナウイルスの流行でリモートワークが増えたのを機に故郷に戻った。コロナ禍で能登の漁業が魚価下落などの打撃を受けるのを目の当たりにし「能登の海を盛り上げるような面白いことができないか」と思うように。五月から撮影を始め、十月に会社を退社した。「釣り客を観光的に誘致し能登に人を呼び込むことにもつなげたい」。現在は動画投稿に専念し月に十本ほど新作を公開する。

 二〇二一年は動画撮影や海産物のインターネット販売を手掛ける会社を町内に設立予定。漁業のデジタル化も構想する。定置網漁の網にセンサーを付けたり、競りでは瞬時に魚の大きさを判断するカメラを導入したりするアイデアを温める。「宇出津の漁師の家に生まれ、おいしい魚を食べ釣りを楽しんできた。魅力発信やITの力で、能登の海に恩返しをしていきたい」

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