100年に1度のパンデミックにより、リモートワークやワーケーションが広がり、働き方の意識変革が起きつつある現在。
これまで以上に自由に、柔軟な働き方を望む人が増える一方、働く人の意識の変化と企業における現実が必ずしもマッチしないケースも。
働く側からしても、新しい働き方へのキャリア・チェンジに魅力を感じながらも、将来の不安やリスクを考えると、つい二の足を踏んでしまう……という人も多いのではないでしょうか。
そこで今回、社員それぞれが自分らしい働き方を体現するグローバル企業「ロイヤルカナン ジャポン」に注目。
日本の「働きがいのある会社ランキング」にも毎年ランクインしている同社は、社員のほとんどが転職によるキャリア・チェンジを行ない、さまざまなバックグランドを持っています。
チームワークに重きをおきながらも、 社員一人一人が「自分らしい」働き方を選択できる“キャリア・オポチュニティ(経験を積む機会)”がある企業です。
各エリアを拠点に活躍する社員3名に、現在の働き方について話を伺いました。
同社に見る、新時代のワークスタイルとは?
ロイヤルカナンってどんな会社?
まずは紹介しておきたいのが、フランスに本社を置き、世界100カ国以上で事業展開する「ロイヤルカナン」の日本法人「ロイヤルカナン ジャポン」について。
「ロイヤルカナン」は、「Dog & Cat First(すべては犬と猫のために)」という理念のもと犬と猫の健康を第一に考え、ペットのためのより良い世界の実現に向けてペットフードを展開しています。
現在、世界的な消費トレンドとして、ペットフードは“健康志向”が主流。そのトレンドの50年以上前から、同社の強みは「栄養学」に注力したペットフード開発にあります。
科学に基づく栄養バランスを提供する同社は、犬や猫の種類、年齢、ライフスタイル、身体のサイズ、活動レベル、健康状態などに合わせたペットフードを展開。
動物病院やペット専門店で主に販売されており、犬や猫を飼っている人なら、「獣医さん推奨のペットフード」としてご存知の人も多いはず。
ちなみに、「いぬのきもち・ねこのきもち」のアプリの「ユーザーが選んだ人気アイテムランキング2019」では、4部門で1位を獲得。
内容は、犬のために「購入しているフードブランド部門」「与えてよかったフードブランド部門」、猫のための「ドライフードブランド部門」「ウェットフードブランド部門」。この結果からも、飼い主さんたちからの信頼の厚いブランドだということがわかります。
ケース①レジャー業界から転職した西海さんのワークスタイル
では、実際にロイヤルカナン ジャポンで働く人に話を聞いてみましょう。
今回紹介する3人は、全員営業職で、特に拠点のオフィスはなく、自宅や車中を事務作業の場所とし、自宅からクライアント先まで直行直帰が基本。
コロナ禍においても同社の対応はいち早く、2月早々からコロナ対策を実施。そもそもリモートワークが基本のため、ビフォーコロナから連絡ツールの整備は整っていて、オンライン会議も普通に行なわれていたとのこと。そのため、業務に大きな支障はなかったそうです。
ということでまずは、2013年にロイヤルカナン ジャポンに転職した、兵庫在住のベテリナリー事業部 西日本地区営業部長の西海賢治さん。
大学卒業後、国内外のレジャー業界を10年以上経験し、動物保護活動に関わったのを機に35歳で獣医大学に再入学。獣医師の資格を取得しています。
ちなみに同社は、そもそも獣医師が創業した経緯もあり、社員の4人に1人が獣医師の有資格者で、業界でも稀だそうです。はたして、転職のきっかけは?
「もともと動物好きということもありますが、会社のミッションに、『犬と猫の専門家と協働し、栄養、そして犬と猫に関する知識・知見を押し拡げることで、個々の犬と猫を真に健康な状態に導く』があって、専門家の知見を尊重する企業文化があります。獣医師の資格を臨床だけでなく、製品やサービスを通じて日本中の犬や猫の健康や、その家族との幸せな暮らしのサポートができることに魅力を感じました」
西海さんの現在のワークスタイルは、主に動物病院などの獣医師を顧客とし、新規開拓から顧客への提案営業まで多岐に渡ります。近畿地方から沖縄までの西日本エリアを統括し、8名の部下のマネージャーを務めます。
メンバーそれぞれ別個に営業活動をしていますが、全員、動物好きという共通項で心が通じ合い、同じ方向を向きやすい社風だと語る西海さん。
「あえて獣医師として臨床を選ばず、企業で働く道を選んでいるので、自分たちにしかできないことをやろうという気概がある社員も多いです。多様性を尊重する企業文化があって、社内にはさまざまなバックグラウンドを持つ人がいて、東大の外科の研修医だった人やYouTuber獣医師もいますよ」
営業職といえば、売上重視の企業は多いですが、そうではない社風も働きやすい点だと指摘する西海さんに、これまで携わってきたプロジェクトについて伺いました。
「クライアントとの絆作りや新規開拓はもちろん、セミナーの開催も大事な仕事のひとつです。獣医学生の就職支援のほか、5年後、10年後を見据えて、子ども向けにペットリテラシーを啓発する『キッズ獣医師体験』といった新たな取り組みで、ペット業界の底上げを目指すプロジェクトを手がけてきました。業績ファーストではなく、一頭でも多くの犬と猫に健康と幸せを提供することをベースに、社員個人の思いや成長にとっても必要な体験ができる、懐の深い会社なんです」
最後に、今後の目標についても聞きました。
「国内には、まだまだペットを飼うためのさまざまな障壁が多くありますが、あらゆる業種の方と協業した上で、そうした障壁をひとつずつなくしていくことが目標です。最終的にそれが犬や猫たちの幸せにつながると考えています」
ケース②化粧品メーカーから転職した東郷さんのワークスタイル
続いて、繊維業界、化粧品メーカーを経て2018年にロイヤルカナン ジャポンに転職した、大阪在住のペットショップ事業部 セールス レプレゼンタティブの東郷靖さん。
まずは転職のきっかけを聞きました。動物愛好家が集まりそうな同社ですが、東郷さんの場合、 犬や猫への関心や飼育経験があるという動機ではないそうです。
「これまで化粧品などのメーカーを経験してきた中で、今度は食や健康に関わる分野にチャレンジし、スキルアップできればと考えました。弊社は“Dog & Cat First(すべては犬と猫のために)”という理念を社員全員が共有し、実際に働く人にも好感が持てました。また、自由な社風でありながら、ひとつの目的に向かってモチベーションを持った働き方ができる点にも魅力を感じました」
東郷さんは現在、担当エリアの兵庫と四国にある約200店舗のペットショップを顧客とし、商談をはじめ、 売り場作りのための勉強会も開催しています。具体的なワークスタイルは?
「今はコロナ禍ということもあって、午前中は内勤、午後からは車で営業に出ることが多く、月の半分は四国への出張です。営業時はペット専門店へ足を運び、自社の製品説明や価値をお伝えしています。製品は200種類以上あるので、顧客の質問への回答などお伝えすることは多岐に渡ります。それからペットオーナー様に興味を持っていただけるような売場作りをすることも、大事な仕事です 」
また、ペットの健康に寄り添い、サポートできる仕事にやりがいを感じているという東郷さん。
「お勧めしたペットフードを実際に愛犬や愛猫に食べさせたお客様から、『体調が改善しました』という報告をいただくと嬉しくなります。以前、友人の愛犬の皮膚の状態が良くなかったので、自社製品を勧めてみたら、毛色がきれいになり、誇らしく思いました。もともと弊社は創業者が獣医師で、皮膚病の犬の食事を改善して根本から治癒しようと考えたのが始まり。そのDNAが根づいていることを実感します」
同社に転職したことで、これまで以上にペットの食の安全・安心の大切さを痛感し、興味が増したという東郷さん。転職したことで得られた“キャリア・オポチュニティ”についても伺いました。
「入社当初、あるプログラムのリーダーに任命され、「変化」を自らの「成長機会」としてワークショップを通して学ぶ機会がありました。もともと思考はネガティブ寄りでしたが、前向きなスタンスを取り入れることができました。
また、社員が“ペットのためのより良い世界をつくる”という目的を共有し、前進している会社なので、リモートワーク下でも、同僚と“つながり”を感じることができる会社だと思います。どこにいても自分らしくやりがいをもって働ける環境ですね」
最後に、今後の目標について伺いました。
「犬や猫の品種・年齢・身体のサイズ・健康状態・ライフスタイルによって栄養ニーズは異なります。どんなフードが愛犬・愛猫に最適なのか?と迷われるペットオーナー様へのサポートを通じ、犬と猫の健康と幸せのためペットフード会社として大きな役割を果たしていきたいです」
ケース③新卒入社から勤続24年の竹ノ谷さんのワークスタイル
最後は、獣医畜産大学(現・日本獣医生命科学大学)を卒業し、新卒でロイヤルカナン ジャポンに入社した、プロフェッショナル事業部 セールス エキスパートで愛知在住の竹ノ谷剛さん。
竹ノ谷さんは、なんと同社に勤続24年のベテランで、ブリーダーやシェルター、訓練士といった犬と猫の専門家を顧客とし、愛知・三重・岐阜・富山・石川・福井などのエリアの営業を担当しています。入社のきっかけについて聞きました。
「大学の研究室の教授から勧められたのがきっかけです。小さい頃から犬を飼っていて、ペットフードは身近で興味がありました。僕はニチロロイヤルペットフード(現・ロイヤルカナン)時代の入社第一期生なのですが、専門店商材としてこだわりの製品を販売する点に魅力を感じました。会社の変革と共にキャッチフレーズは変わっても、犬や猫の健康を第一に考える姿勢は入社当時から変わっていません」
イベント会場でブリーダー顧客向けに栄養学や製品についてのセミナーを開催したり、ドッグショーやキャットショー、訓練競技会などに参加して商品ブランドの露出や顧客とのコンタクトを深めたりすることも、竹ノ谷さんの大事な仕事のひとつ。
日々のワークスタイルについて伺いました。
「愛知を拠点に、三重・岐阜・富山・石川・福井までの広い範囲をカバーする営業のため、移動は長距離になるのがほとんど。チーム会議は、月に1度メンバー全員が顔を合わせてしていましたが、今はほとんどオンライン会議で対応しています。それぞれが担当エリアを広範囲に移動しながらも、チームでのコミュニケーションを重視しているので、特に会議は積極的に参加するようにしています」
これまで関わってきた印象深いプロジェクトとして、ゼロから製品開発を手がけたことを挙げる竹ノ谷さん。
「弊社の多くの製品はフランス本社で開発されていますが、日本固有の柴犬用のフード開発に携わりました。当時はほとんど取引がなかった柴犬のブリーダー様とコンタクトを取るところから着手し、アンケート調査、試作品のテスト、日本犬保存会でのセミナーの実施など、ゼロから製品を育てる楽しみは、プロフェッショナル事業部ならではの醍醐味ですね」
定年信仰が崩れ、数年で転職するのが一般的になった現在、同社に24年間勤務を続けられた理由、そしてペットフード企業の事業部で働くやりがいは?
「ロイヤルカナンの製品は、科学と観察による研究によって開発されています。フランスとアメリカにある広大なペットセンターでは、犬や猫の栄養ニーズや必要なキブル(フードの粒)の形状、嗜好性・消化性などが綿密に研究されています。科学と観察に裏付けされた製品だけに、自信を持って営業できることは大きいですね。また、弊社には犬と猫に関するさまざまな知識や知見が揃っていて、常に学べる環境である点も、24年間続けられた理由だと思っています」
長年ロイヤルカナンに勤務する竹ノ谷さんが実感する社風は?
「本社から離れた地方勤務であっても孤立することなく、常にメンバーとつながっている感覚を持てる会社だと思います。社員全員が“ペットのためのより良い世界をつくる”という共通の目的に向かって常にチームワークを意識して働いています。また、やりたいことが自由にできる会社なので、楽しみながら頑張れる点も魅力ですね。特にうちのチームは仲が良く、フレンドリーなメンバーが多いですよ」
ちなみに竹ノ谷さんが所属するプロフェッショナル事業部では、このほど犬や猫の専門家である顧客向けのポータルコミュニティサイト「ロイヤルカナンPRO CLUB」をオープン。
サイト内では、栄養学や衛生学についてのさまざまな教育講座を用意。犬や猫の専門家のために学びの場を提供し、ネットワークを広げて知識を深めることで、引いては犬と猫のために役立てもらうためのプロジェクト「PRO Active」の一環だといいます。
こうしたサービスが生まれるのも、犬や猫の健康や幸せを第一に考えることが全社員に共有されているからこそ。つくづくブレがありません。ということで最後に、今後の目標について聞きました。
「ロイヤルカナンが企業としても成長し続け、ペット業界全体に向けた取り組みを考えているからこそ、製品を販売するだけでなく、犬と猫の健康と幸せのために貢献できていると思います。これからも顧客に感謝されるようなプロジェクトを創出していけたらと考えています」
***
現在、国内でも注目されるペットフード企業のロイヤルカナン ジャポン。
出身業界が異なり、それぞれのキャリアや個性を生かしながら柔軟に働ける一方で、同じ理念の下、必要に応じてチームがまとまり、協力し合あうワークスタイルが印象的でした。
働く人が「自分らしく」活躍できる同社の社風や取り組みが、これからの多様な働き方のヒントになりそうです。
ちなみにロイヤルカナン ジャポンのFacebookページでは、犬や猫のよくあるお悩みについての情報が満載で、プレゼントキャンペーンなどを随時更新しているので、そちらもぜひチェックを。
Photo: 織田桂子
Source: ロイヤルカナン ジャポン
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December 11, 2020 at 09:00AM
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