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1年を通して、様々な魚が取れる水産大国ニッポン。古くからタンパク源として重宝とされ、現在では、300種類以上の魚が流通しています。 しかし、近年、日本の海は記録的不漁に悩まされ、資源が回復してこない“死の海”と化しています。 改善がみられない各地の「不漁」問題解決に向け水産庁は、今月、第1回「不漁問題検討会」を開き、本格始動しました。 ■各地で「名産」が姿消す 次々と魚が消える日本の海。一体どうなっているのでしょうか? 向かったのは、日本漁業政策の中枢を担う農林水産省。 話を伺うのは“不漁検討会”座長の宮原正典氏。 クロマグロに関する国際会議などで活躍、日本の魚を守ってきた人物です。 佐々木一真アナウンサー:「最近、毎年のように“不漁”というニュースを見る」 宮原正典氏:「呼子のケンサキイカが獲れないとか、明石のタコがおかしいだとか。サクラエビが獲れないとか、従来獲れていた所で獲れていないというのは、困ったことだと思いますね」 全国各地で「名産」とうたわれた魚たちが、姿を消しています。 土佐のカツオ、駿河湾のシラス、秋田のハタハタに、北海道のスケトウダラなどが、次々と…。 その一方で、一部「豊漁」だったというニュースもあります。 宮原氏:「例えばブリ。ブリっていうのは一番取れるのは九州ですけど、今や北海道沖の定置網に入って、北の魚に置き換わっていってしまっている」 産地の変化は、ブリ以外にも起きています。 瀬戸内のサワラや佐賀のケンサキイカも、東北で豊漁になっているのです。 佐々木アナ:「何が原因なんですか?」 宮原氏:「一般的に『温暖化』という現象と『海流の流れ方』が変わってきたという現象があって」 「海流の変化」は、他にも深刻な事態を引き起こしています。 宮原氏:「温暖化でどんどん黒潮が強くなったり、さらに最近、大蛇行しているというようなことが言われていますけど、大きく蛇行することで生まれた小さい子どもが、どんどん外に流されちゃって沿岸の餌を食べれなくなって育たなくなってしまっている」 「海流の変化」が、次の世代の魚が生まれるサイクルを壊しているというのです。 佐々木アナ:「これまでないことが起きている?」 宮原氏:「悪くても良くなるんじゃないかという過去のパターンが通用しなくなっている」 そんななか、水産庁が特に心配する3種類の魚が…。 宮原氏:「スルメイカですね、シロザケ、サケですよね、それからサンマ。この3つが、近年非常に悪いので、それを中心課題としてやっています」 これら3種は、元々、漁獲量が大きかったにもかかわらず、ここ数年で大幅に減ってしまいました。 ■サケの稚魚を襲う“熱い海” 佐々木アナ:「サケと聞くと、例えば回転寿司に行くとサーモンのお寿司たくさん売っていますし、値段も非常に安い。それでも不漁なのですか?」 宮原氏:「それは天然のサケと養殖のサケ、いわゆるサーモンを混同してしまっていると思うんですね」 左側のオレンジの切り身、この魚はニジマスの仲間トラウトサーモンで、右側がシロザケです。 宮原氏:「我々が昔からなじんで食べて、お茶漬けの素にしたいシロザケ。そのシロザケは、残念ながら獲れなくなってきている」 サケ漁は、成熟したオスとメスを捕まえるところから始まります。 メスの腹から取り出したイクラと、オスの精子を受精させます。 こうして生まれた稚魚をある程度大きくなるまで育てて放流するのです。 宮原氏:「放された魚は海を渡って、それで3年4年経って帰ってきて、日本の近海で獲られると。自分の生まれた川を覚えていて、そこに帰ってくる。忠義心があるといったら変ですけど、そういう魚なもんで、昔から皆、努力して放して、帰ってくるのを楽しみに待っている魚」 激減しているサケ、何があったのでしょうか? 宮原氏:「要はですね、暖かくなった海と海流が変化したことで、産まれたばっかりの魚が生き残る環境がどんどん厳しくなってきててしまっていると」 従来は、稚魚に適した水温の時期が1年のうち2カ月程度ありましたが、現在は約2週間、つまり、稚魚が生き延びにくい環境になっているというのです。 佐々木アナ:「じゃあ、長旅のなかで帰ってこられないのではなく、そもそも出発ができていない」 宮原氏:「競争に勝つサケが育てられなかった。こういうことなんじゃないですかね」 ■イカは“乱獲”で激減 佐々木アナ:「スルメイカ、これもおつまみには欠かせない…」 宮原氏:「イカ好きな人は多い。産卵地はここに書いてある通りですね。九州の南から対馬海峡にかけてなんですけど」 スルメイカの赤ちゃんも、サケと同様、温暖化の海にさらされ、死滅しているというのです。 宮原氏:「もう一つは獲りすぎているケースです」 わずかながら北上したイカを待ち受けるのは、北朝鮮や中国の船。 日本の海で日本の倍以上のイカを獲っており、対応に苦慮しています。 この大量漁獲が、さらなる負の連鎖を生んでいます。 宮原氏:「帰ってくる親もみんなで獲り尽くしてしまったから、親は少ないわ、環境は適してないわで、資源が悪くなった」 ■サンマは“2世代乱獲” 宮原氏:「サンマは9月以降、日本の近海に寄ってきて、脂がのっている魚がおいしい。水温が下がるに従って南下していって、千葉の辺りで獲る」 しかし、日本近海に異変が…。それが「暖水塊」です。 宮原氏:「最近では暖かい水がどかない、日本の近海にサンマが寄って来なくなる。日本の船はあまり行ってませんけど、中国とか台湾だとか多くの漁船が、サンマを200海里の外で獲るようになりました」 サンマの寿命は約2年。 卵を産む世代と子どもの世代、両方を大量に獲ってしまったため、資源量が減ったのです。 ■V字回復狙う“打開策” 記録的な不漁を打開する策とは? 宮原氏:「やっぱり小さい時期、卵を産むまでの時期はあまり獲らないというのは徹底してやっていく必要がある。いい例は、国中で大騒ぎしながらやっていたクロマグロです。小さいのを獲るのを半分にしました」 2013年頃まで、漁獲されるクロマグロの99%は卵を産まない3歳以下の魚でした。これらの魚を獲らないように呼び掛けたところ、わずか5年で、資源量が見事に回復したのです。 宮原氏:「サンマでいえば脂ののっていない公海の魚はしばらく獲らないと。そうすれば多分沿岸に来る量はもう少し回復する。難しいのは、国際関係で我々が厳しい措置を取ろうと思えば、中国や韓国、台湾に付き合ってもらわなくてはならない。だけど中国が同意してくれない、韓国が同意してくれないから…それを言い訳に先延ばした分だけ不漁になる」 宮原氏はかつての経験から、時には厳しい追及も必要だといいます。 宮原氏:「自分たちも犠牲を払うんだから、将来の為に一緒にやってくれ、あなた方がやっていること、誰も見ていないと思っていますが、見られていますよということを示していく」 衛星からの監視やAIを駆使し、違法漁業の情報や証拠を蓄積しているといいます。 佐々木アナ:「私たちができることはどんなことがありますか?」 宮原氏:「本マグロだけしか嫌だとか言わずに、ブリが獲れたならブリを食べてください」 現在、サケやスルメイカ、サンマは激減していますが、ブリやイワシ、サワラなどは豊漁です。 本マグロやノドグロなどと選り好みせずに、豊漁の魚を食べてほしいということです。 佐々木アナ:「日常で食べる魚を変える大きな転換点にいるのかなと」 宮原氏:「そう考えて頂けると大変ありがたいです」 (「グッド!モーニング」『金曜NEWSウォーカー』2021年4月30日放送分より)
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April 30, 2021 at 02:31PM
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