ペットの値段が高騰している。以前は二十万円ほどだった犬や猫が今や四十万円超。コロナ禍の巣ごもり需要でペット業界はほくほくなのかと思いきや、多くの業者が戦々恐々としている。規制強化の動きがあり、猛反発しているのだ。一方で、大枚はたいて迎えたペットを捨てる人が相次いでいる。ペット商戦異状あり。割を食うのが物言わぬ犬、猫でいいのか。
(大平樹、榊原崇仁)
コロナ禍で思うように外出できない日々も、新たな家族がいれば豊かなものになるかもしれない−。そう思い、神奈川県内のペットショップを回った。
ケージの中ですやすやと昼寝をしたり、じゃれ合ったりする子犬たち。かわいらしさににやけながら、値札に視線を移し、思わず固まった。生後三カ月のチワワに約四十万円の値が付いていた。人気のトイプードルは八十万円を超えた。
では、猫はというと、こちらも高い。垂れた耳が愛らしいスコティッシュフォールドが約五十万円、人懐こいとされるアメリカンショートヘアは約四十万円だった。
さらに、ワクチン接種、保険、ケージなどなどといろいろ金がかかる。とても手が出ない。
二十年ほど前は、高くて二十万円に届くかどうかだったような...
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