
「ペット可物件」で爬虫類を飼うのはO K?
2021年のゴールデンウィーク、体長3.5メートルのアミメニシキヘビが、横浜戸塚区の賃貸住宅の一室から脱走したというニュースは、家主を震撼させました。彼らにとって「ペット可物件」のペットとは、多くの場合、犬や猫を想定していていたからです。ところが「ペット可物件」の大半は、実際にはペットの種類までは限定していません。そのため爬虫類を好む人たちからすると、この大蛇も「ペット可物件」で飼っても良いペットということになります。
このニュースを知って、慌てて3人の家主から私のところに電話がありました。その相談内容は、揃って「ペット可物件のペットの種類を限定したい」というものです。ペット可物件とあれば、法律で規制されている動物以外、何でも飼えてしまうということに気がついたのです。脱走した大蛇の飼い主は、他にもワニまで飼っていました。自分の賃貸物件で今回のようなことが起きたら大変だと心配になり、居ても立っても居られないという電話でした。
家主の気持ちは分かりますが、「ペット可物件」とうたって入居してもらった借主に対して、一方的にペットの種類を限定することはできません。借主にとって不利になるような変更は、借地借家法で認められていないのです。とはいえ、新規にこれから募集する場合には、取り決めは自由にできます。その上でまずは、現在の借主が飼っているペットを確認してもらいました。もし犬や猫以外の場合には、いきなり退去させることや更新拒絶することはできませんが、飼育状況を確認し、適切な環境であれば、時間をかけて今後をどうしていくか話し合っていくしかありません。
幸い3人の家主の場合、飼育されていたのは猫のみでしたが、この先賃貸物件で飼えるペットの種類を制限しようという家主が増える可能性は十分にあります。それだけインパクトの強い出来事だっただけに、これからは犬や猫以外のペット愛好家の方にとっては厳しい状況になるかもしれません。
賃貸物件の部屋が猫まみれ
たとえ飼っているのが犬や猫の場合でも、自分では予期せぬペットトラブルに、巻き込まれることもあります。
「隣の部屋の猫が、バルコニーに入って困っている」という苦情を受け、家主に頼まれ私が代わりに物件に行ったときのことです。家主からは「どうやら猫が2,3匹いるらしい」と聞かされていました。ところが実際には、今までに見たことのないような光景が繰り広げられていたのです。ドアを開けた瞬間、至るところに猫がいて上下左右に飛び交い、アンモニア臭を放ちながら入り乱れていました。いったい何匹いるのか、絶えず動き回るので数えることもできません。突然の来訪者に彼らは興奮しながら威嚇し、動物好きの私も生まれて初めて恐怖心を抱いてしまうほどでした。
この状況に困り果てていた高齢の借主夫婦と、いったん室外へ。この惨状を見られたくないと隠すどころか、開口一番「助けてください」と言うのです。
子どもがいなかった老夫婦は、自分たちが高齢になり以前より外に出ることが減ったことから、猫を飼って家での生活を楽しむつもりでした。ところが動物を飼うことは初めてで、知識がなかったのでしょう。猫を去勢をしないまま外に出してしまったために、猫が妊娠し子猫が6匹も生まれてしまいました。そしてその小さな子猫たちも、また外に出るようになり、気がついたらどんどん増えてしまったとのこと。
これ以上になったら大変と室内に閉じ込めようと試みましたが、強烈な匂いが充満することと外に出たい猫たちが凶暴になってしまうため、窓を開けざるを得ず悪循環に陥ってしまいました。老夫婦自身ももはや頭数すら把握できておらず、自分たちの生活スペースも猫たちに奪われ、僅かな空間で身を寄せる毎日。ゆっくり横になって休むことも、できなくなっていました。
当然部屋の中は、荒れ放題です。クロスは剥がれ、障子も格子のみとなり、それとて爪で削られ細くなっています。床は糞尿で、黒く腐っている部分までありました。これが悪臭の元となっているのでしょう。「もう自分たちでは飼いきれません」と、隣の家からの苦情を伝えに行った私に対して、老夫婦は懇願したのです。
確かに現状を見る限り、状況が改善される見込みはありません。室内も衛生的に人が住める状態でもありません。老夫婦は猫たちを連れ出し、自分たちは転居して、部屋をボロボロにしてしまったので家主に対して原状回復費用を払いたいということでした。
ところがここで疑問です。『猫を連れ出す』ってどこに? 老夫婦は下を向いたままです。そして絞るような声で「保健所にお願いしたい」と呟きました。保健所に依頼するということは殺処分するということ。それは猫たちにとっては、あまりに残酷な話です。私はすぐに保護してくれる団体を探しました。2つの保護団体が子猫を計9匹引き受けてくれたのですが、その他の猫は狂暴な姿勢を見せたことから、保護を断念。後から聞いた話では、残念ながら48匹の猫たちが保健所に引き取られていったそうです。
その後老夫婦は引っ越しし、退去後の原状回復工事も70万円ほど支払うことになりました。「もう絶対にペットは飼いません」そう肩を落とした老夫婦の姿は、未だに私の目に焼き付いています。
ひとり暮らしで飼い主が亡くなるとペットはどうなる?
ひとり暮らしの方が、ペットを飼うケースも増えてきました。そのため最近では、室内で借主が亡くなって、ペットだけが残されてしまう案件も目立つようになってきたのです。残されたペットをご親族が引き取ってくれればいいのですが、放棄されてしまうとペットは生き物ですが動産扱いになってしまいます。やはり行きつく先は保健所しかありません。
関係者がそれはかわいそうだと、里親を探したり、自分で世話をしてくれたりすることもありますが、件数が多くなるにつれてそれもなかなか厳しくなっているのが現状です。
医療の発達で、人間だけでなく犬や猫の寿命も延びました。小型犬なら15,6年、猫なら20年くらい生きてもおかしくありません。50代の夫婦が猫を飼いだしたとしても、飼い主より先にペットが亡くなるという保証はないのです。
コロナ禍で会った72歳の借主は、どうしても家族が欲しくて猫を飼いました。でも自身の年齢を考えて、11歳の保護猫を引き取りました。さらには万が一自分の方が先に逝きそうになったら、その保護団体が引き取ってくれるということまで約束していました。
寿命があるのは、借主やペットだけではありません。借りている物件の築年数が経っていると、どこかで建物の取り壊しの話が出るかもしれません。今はペット可物件で飼えていても、いざ立ち退きで引っ越しとなれば、転居先でペットを受け入れてくれる物件はまだ少数派です。そのため賃貸物件でペットを飼おうと考えている人は、自身の年齢やペットの寿命、さらには賃貸物件の寿命まで頭に入れておいた方が良さそうです。また今回の脱走のケースを踏まえ、賃貸物件でペットを飼いたいと言う人は、予めペットの種類が限定されているかどうかも確認しましょう。
賃貸物件で快適にペットを飼うためには、何点かのポイントがあります。鳴き声や糞尿も含め、躾をきちんとする、飼う環境を整えることは最低条件です。2点目は、自分の方から家主側に、飼っているペットは毒性はないとか、人に危害は加えないとか、安全な環境の元で飼育している等々、予め伝えること。3点目は両隣等にも自分から、たとえば「犬がいるのですが、鳴き声とか気になったら言ってくださいね」と先に声をかけておくこと。このようなコミュニケーションで、家主や他の借主等にも安心してもらうことができ、何かトラブルが発生した時にも険悪にはならず、多少の我慢もしてもらえるかもしれません。
全ての賃貸トラブルはコミュニケーション不足から発生すると言っても過言ではありませんが、特にペットに関しては重要だと思います。せっかくペットと一緒に暮らせる物件に入居できたのです。楽しい日々が過ごせるよう、積極的なコミュニケーションを心がけましょう。
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August 26, 2021 at 05:00AM
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「ペット可物件」の誤解 ペットブームの最中、賃貸物件での予期せぬトラブルをさけるには?(太田垣章子) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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