ハトに餌をあげないで――。東京都大田区が今春、駅前や公園での餌やりを禁止する条例を施行した。同様の条例は各区で制定され、罰則つきのものもある。背景を探ると、街の景観を乱す「鳥害」に悩む住民や自治体の危機感があるようだ。(米山理紗)
「数え切れないほどのハトがビルや街灯にとまり、異様な光景だったよ」。大田区の大森駅東口商店会で長く会長を務める荻野正助さん(77)が振り返る。
最大で150羽ほどが集まっていたハトの目当ては餌だ。高齢の男性がスーパーで大量のペットフードを買い込み、路上にまいていたのだという。落ちてきたフンが通行人にかかり、食べ残しを狙うネズミの姿も。周辺には飲食店街が広がっていて、荻野さんは苦情に頭を悩ませていた。
男性に注意してもやめてくれず、困り果てた荻野さんは区議に相談。これを機に区議会で「区ハト・カラスへの給餌による被害防止条例」が制定された。
条例は野生のドバトやハシブトガラス、ハシボソガラスに、道路や公園などの公共の場所で餌をやることを禁止。騒音やフン、羽毛の散乱といった被害が確認された場合は区が指導し、従わない場合は5000円の過料を科すこともある。
「区も対応に困っていた」と打ち明けるのは、区環境対策課の菅野俊明課長だ。区によると、餌やり自体を禁じる法律はなく、餌を廃棄物と捉えて廃棄物処理法を適用することも検討したが、「『ゴミではない』と主張されれば、立証するのは難しかった」という。
4月の条例施行後、男性は駅前に現れなくなり、被害は収まった。菅野課長は「条例の制定により、悪質な事例に対処する根拠ができた」と意義を語る。
ほかの区にも同様の条例がある。先駆的だったのは荒川区で、2009年に過度な餌やりに罰金を科すこともできるようにした。被害が広がり、複数の住民が苦情を訴えることなどが条件で、立ち入り調査や警察への告発もできる。調査を拒むと10万円以下の罰金となるが、適用事例はまだないという。
東京都世田谷区も18年、迷惑な野鳥への餌やりを禁じた。区は「お金を払えばやってもいいと曲解されかねない」として罰金制度は設けていない。各区とも「抑止効果に期待している」(大田区の菅野課長)というわけだ。
そもそもハトに餌をやるべきなのか。NPO法人「バードリサーチ」(国立市)代表の植田睦之さん(52)は「木の実などを食べているので必要ない」と話す。
バードリサーチなどの民間団体が、16~21年にかけて都内1400超の地点で行った分布調査では、1990年代と比べてドバトは都心部で減り、下町や郊外で増える傾向があった。以前は餌を求めて都心に集まっていたが、餌やり禁止の条例効果もあってか、分散が進んでいるとみられる。
植田さんは「鳥が餌を食べる姿はかわいいので、あげたくなる気持ちはよくわかる」としつつ、「鳥が増えすぎれば嫌な気持ちになる人も出てくる。何事もやりすぎはよくない」として注意を呼びかけている。
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July 27, 2022 at 09:15PM
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「ハトに餌」条例で禁止…きっかけは路上にペットフードまく男性、フン害やネズミ発生も - 読売新聞オンライン
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