ペット市場が好調だ。新型コロナウイルス禍で癒やしを求めて犬や猫を飼い始める人が広がっているほか、自宅で一緒に過ごす時間が延びて以前から飼っていた人もペットへの支出を増やしている。自宅中心の生活スタイルの定着に伴いさらなる市場の拡大が期待され、新ブランド立ち上げの動きや新サービスが続々と出てきている。
※「日経MJ」2022年9月19日付記事「ウチの出費 私よりペット」を再構成したものです
神奈川県の20代女性はコロナを機にミニチュアダックスフントを飼い始めた。10年以上前から飼いたいと思っていたが、仕事で家を留守にする時間が長く諦めていた。在宅勤務になり念願のペットとの暮らしが実現。「両親と一緒に犬の散歩をするようになり、家族との会話も増えた」と語る。
矢野経済研究所(東京・中野)によると、2020年度のペット関連市場は19年度比7%増の1兆6882億円。コロナ前5年間の成長率は年1%台だった。22年度以降も伸び率は鈍化するが拡大傾向は続く見込みだ。
犬の飼育頭数は減少傾向にあり、猫を含めた犬猫の総頭数は伸び悩んでいるが、1匹当たりにかけるお金は増えている。「ペットの(心身の状態など)ささいな変化にも飼い主が気づくようになり、高単価ペットフードやオーラルケア、保険などのサービスが伸びている」(主席研究員の飯塚智之氏)という。
ペットを有望市場と捉え、エステーは新ブランド「エステーペット」を22年2月に立ち上げ、猫用システムトイレや消臭チップなどを売り出した。家族が「臭いが苦手」と飼うのを諦めたり、臭いが原因で飼育放棄したりするケースもあるという。
どの商品も天然素材を使用。価格はオープンだが、システムトイレにチップなどが付いたセットの店頭実勢は8800円前後と他社の平均価格より5000円ほど高い。臭いの悩みは大きく、高付加価値商品の需要が見込めると判断。5年後までにシェア10%を目指す。
関連サービスも活況を呈している。20年10月に開業したキンプトン新宿東京(東京・新宿)には高級ホテルでは珍しく犬と泊まれるプランが登場した。蓼科東急ホテル(長野県茅野市)が22年5月から売り出したのは、ペットが参列できる結婚式プラン(参列者10人で90万円から)。ペットが証人として結婚証明書に肉球で署名する。3組ほどが申し込みを検討中だ。
東急不動産系のホテルタングラム(長野県信濃町)も犬と一緒に過ごせる食事スペースを設け、ペット対応の部屋を2倍に増やした。夏休みの稼働率はほぼ100%だった。エイチ・アイ・エス(HIS)は石川県に全室犬と過ごせるグランピング施設をつくった。
ペット保険最大手のアニコム損害保険の21年の調査によると、2割以上の飼い主が美容院や医療費、食費について自分よりもペットに多くお金をかけている。
単身世帯の増加や小家族化により生活のなかでペットの存在が大きくなり、家族の一員と感じる傾向が強まっている。ペットと過ごす時間が増えるほど愛情は深まり、財布のひもが緩みやすい。企業はひたとび顧客と信頼関係を築けば、長く付き合える可能性がある。
ペットの健康づくり、テックの波
既存の産業とIT(情報技術)を掛け合わせて、新たな価値を創造しようとするテックの波はペット業界にも押し寄せている。一段とペットの家族化が進みペットの健康志向が高まっていることが背景にある。テックの広がりはサービスの単価上昇と競争激化を加速させる。
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