18日、インドネシア・ジャワ島パンデグラン県スムル地区で、元漁師ウルンさん(右)の居住禁止区域内にある自宅にやむなく暮らす、長男のアアンさんとその家族=共同 |
インドネシアのジャワ島とスマトラ島の間のスンダ海峡で起きた火山噴火が原因で発生した津波により四百人以上が死亡した災害から二十二日で一年。噴火で発生し地震が観測されなかった津波は世界でも珍しく、専門家の注目を集めた。ジャワ島西部の最大被災地では仮設住宅が立ち並ぶ一方、集団移転による恒久住宅の建設見通しは立っておらず、住民からは不満が漏れる。 (スムル・共同)
「せまくて暑い。鳥籠の中の鳥のようだ」。ジャワ島パンデグラン県スムル地区の仮設住宅で元漁師ウルンさん(61)がいらだちをあらわにした。津波発生時、海岸から五十メートルほどの自宅にいたが、近くのモスク(イスラム教礼拝所)に逃げ助かった。近所では十人が死亡。妻は逃げる際にけがを負い、約五カ月後に亡くなった。
長男アアンさん(39)は三〜十八歳の子ども三人を抱える。仮設住宅は狭いため、津波被害を受けて居住禁止区域に指定されたウルンさんの自宅で暮らす。ウルンさんは「早く恒久住宅に入りたい。なぜこんなに時間がかかるのか」と訴えた。
同県地方災害対策局によると、県内では仮設住宅約八百二十戸で計約二千人が避難生活を続けている。約七百戸の恒久住宅を建設予定だが、まだ用地取得の段階だ。幹部のデニ氏(48)は「県の予算では造れず、国の予算になるので手続きに時間がかかっている」と漏らす。津波避難ビルは一棟しかなく「本来は数百は必要だ」と危機感を募らせた。
ジャワ島西部の沿岸部は人気の観光地で、犠牲者の多くは観光客だった。海沿いの宿泊施設の従業員ピアンさん(28)は「客は(津波前と比べ)三割しか戻っていない。混んでいるのは週末だけだよ」と嘆く。
噴火を起こしたアナック・クラカタウ山は活動を続けている。十一月上旬には複数回噴火。噴火警戒レベルは三月以降、四段階で上から三番目の状態が続く。沿岸部の高台に設置された火山地質災害対策局の観測所では、職員三人が二十四時間態勢で六時間ごとに火山の様子を報告している。ジュモノ観測員(49)は「現在の警戒レベルがいつまで続くか分からない。漁師や観光客は火山から半径二キロ以内には近づかないでほしい」と話した。
スンダ海峡津波 2018年12月22日夜、インドネシア・ジャワ島とスマトラ島の間のスンダ海峡にあるアナック・クラカタウ山が噴火し、山の南西部が海に崩落して津波が発生した。国家災害対策庁によると、少なくとも437人が死亡、10人が行方不明になり、約3万2千人が負傷した。地震が観測されず、津波警報は発出されなかった。パンデグラン県は最大被災地で、296人の死亡が確認された。 (共同)
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December 22, 2019 at 05:23AM
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インドネシア噴火津波1年 遅れる建設、いら立つ住民:国際(TOKYO Web) - 東京新聞
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