「今は動向を見守るしかない」。富士見水産の姫野透社長(右)は手早く関アジを締めた=3日、大分市佐賀関幸の浦
3日午前11時すぎ。大分市佐賀関幸(こう)の浦の富士見水産佐賀関店は、同市都町の飲食店に届ける関アジの注文を取りまとめていた。
一本釣り漁を終えた小型船が幸の浦漁港に次々と乗り付けてくる。買い入れた関アジはいけすに放たれ、勢いよく尾びれを振った。
「大漁はうれしいけど」。姫野透社長(57)は言った。「今日の配達は8軒。普段の半分ぐらいや」
東京、大阪、福岡…。新型コロナウイルスの影響は地元・都町をはじめ、主要な出荷先の大都市圏で外食産業を直撃している。宴席が敬遠され、日本料理店やすし店、ホテルなどで扱われる高級ブランド魚の関アジは苦戦する。
物流の縮小も痛い。福岡―大阪間の航空便が減り、1日からは関西に商品を送れなくなった。
魚はだぶつき、市場の相場は下落した。在庫を抱えた姫野さんは1匹2500円の関アジを破格の1000円引きで店内の直売所に並べ、売り切った。
「名前は知っていても、食べる機会がなかった人は結構いる。うまさを知ってもらえたのでは」
とはいえ、大衆魚に比べれば値引いても高価だ。「しょっちゅう晩のおかずになるもんではないからね」。直売だけに頼るわけにもいかない。
「高いモノほど動かない。今だと、県南の養殖ヒラメも厳しい」。県漁業管理課団体流通班の三浦慎一主幹(46)は苦渋の表情を浮かべる。
近年、力を入れているカボス入り飼料で育てるブランド養殖魚の売り込みにも影響が出た。3月末に県内のスーパーで計画していたブリ、ヒラメに続くヒラマサの本格的なPRイベントは、人の密集を懸念して見送った。
2011年3月に発生した東日本大震災の際も、首都圏の物流停滞や停電の不安から鮮魚が売れない時期があった。それでも5月の大型連休前には回復の兆しがあったという。今回はまだ、出口が見えない。
外食が減るなら、自宅での魚食普及を―。「地道なアイデアを出したい」。三浦さんは知恵を絞る。
都町に向かうトラックは正午に出発した。いけすからすくった9匹はそのまま積み込み、3匹は神経を抜いて活(い)け締めにした。量は通常の週末の3分の1だ。
姫野さんは出荷作業をわずか15分ほどで片付けた。「まだ悪くなるんやろうか。うちは中小企業でも小の方だから…」
危機感が漂った。
※この記事は、4月6日 大分合同新聞 23ページに掲載されています。
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