Friday, July 3, 2020

「唐揚げ」と「竜田揚げ」に違いはある?名前の由来も解説(2020年7月3日)|BIGLOBEニュース - BIGLOBEニュース


子どもから大人まで、みんな大好きな唐揚げ。そっくりな料理に「竜田揚げ」という料理がありますが、その違いをご存じですか?
大きな括りでいえば同じものといえますが、厳密には違う料理ともいえます。なんだか同じなのか違うのか分かりにくいですね。
では、なぜこんなにもあやふやな表現になるのか、唐揚げと竜田揚げについて解説していきますね。併せて名前の由来についても解説します。

唐揚げと竜田揚げの違い


唐揚げと竜田揚げには、そもそもどのような違いがあるのでしょうか?それぞれの立ち位置からその違いを見ていきましょう!

唐揚げは総称

「唐揚げ」と聞くと”鶏肉の唐揚げ”を思い浮かべますが、唐揚げとは本来は揚げ油を使用した調理方法、その調理された料理を指す言葉となっています。
また、食材に小麦粉や片栗粉などを薄くまぶして油で揚げたものの総称を呼びます。
つまり、唐揚げとは鶏肉の揚げ物だけでなく、揚げ油を使った調理方法や料理全般を指す言葉ということになります。

竜田揚げは唐揚げの一種


「竜田揚げ」は、食材に醤油やみりんなどで下味をつけ、片栗粉をまぶして油で揚げた料理のことです。
つまり、唐揚げという大カテゴリの中に含まれる料理が、竜田揚げということになります。

唐揚げと竜田揚げの名前の由来


唐揚げや竜田揚げは、揚げ物だからこそ「揚げ」という言葉が入るのはわかります。
しかし、「唐」や「竜田」に関しては意味が分からなかったりしますよね。この項目では、その名前の由来についてご紹介します。

唐揚げの由来

唐揚げという料理の由来は、江戸時代初期に中国から伝来した精進料理の一種「普茶料理(ふちゃりょうり)」にあるといわれています。
当時から唐揚げと書いて「からあげ」または「とうあげ」と呼んでいたのですが、この名前は「普茶料理(ふちゃりょうり)」が中国から伝わったことに由来します。
普茶料理での唐揚げは、精進料理だったことから肉を使わない、現在の唐揚げとは違うものでした。
普茶料理では豆腐を小さく切って油で揚げ、さらに醤油と酒で煮たものを唐揚げと呼んでいました。
この精進料理の唐揚げが、次第に食材のバリエーションが増えたことで、揚げ物全般を呼ぶようになっていきました。
ちなみにこの頃、現代の唐揚げに近いものは「煎出(いりだし)」や「衣かけ(ころもかけ)」と呼ばれていたそうですよ。
「唐揚げ=鶏肉」というイメージが定着したのは、外食産業を中心に若鶏の唐揚げのメニューが考案されたことが発端といわれています。

竜田揚げの由来とされる2つの説

竜田揚げの由来については、2つの説があります。

「竜田川」起源説

竜田揚げの名前は奈良県を流れる紅葉の名所、竜田川が起源だという説があります。
醤油につけた肉の赤い色と、衣の白い色が混ざった様子を竜田川の白い波に浮かぶ紅葉に見立ててそう呼んだのが始まりとされています。

戦艦「龍田」起源説

竜田揚げにはもう1つ、戦艦「龍田(たつた)」が起源だという説もあります。
当時、船員の食事として小麦粉の代わりに片栗粉を使った唐揚げが提供されていたそうで、それがとても美味しかったということから戦艦の名前から付けられたようです。

全国にある鶏のから揚げ


鶏肉を使った唐揚げは全国各地にあり、それぞれ調理方法なども違ってきたりします。ここからは、特に有名な唐揚げをピックアップしてご紹介します!

山賊焼き


長野県のご当地料理「山賊焼き」は、鶏もも肉をすりおろしたニンニクやタマネギの効いた醤油で漬け、片栗粉をまぶして油で揚げたものです。
普通の唐揚げよりも大きいものが多く、さらに他の部位のお肉を使うこともあるようです。
ちなみに、山賊「焼き」とは呼ぶものの、実際には焼いているのではなく揚げています。片栗粉をまぶしているので、巨大な竜田揚げの一種ともいえます。

山口県の山賊焼き

長野県だけでなく、山口県にも山賊焼きという同じ名前の料理があります。
こちらは鶏もも肉を一本丸ごとあぶり焼きしたもので、文字通り炭火やオーブンやグリルで焼いたものです。
ニンニクの効いた照り焼きとなっており、唐揚げというよりもローストチキンに近いものとなっています。
単に鶏肉の照り焼きを山賊焼きと呼ぶこともあるなど、地域によって若干の違いがあるそうですね。
山口県の山賊焼きは”焼き料理”であり、揚げ物ではありません。そのため長野県のものと違い、唐揚げではないですね。

ザンギ


「ザンギ」も唐揚げの中では知られており、特に北海道のものが有名です。しかし実は、愛媛県にも同名の料理があるのです。

北海道のザンギ

北海道の釧路市で生まれたとされる「ザンギ」は、『鳥松』という焼き鳥屋さんが始まりだといわれています。
もともと焼き鳥屋さんだった同店が1960年頃、ブロイラーの売り込みを受けて、1羽丸ごとぶつ切りにして日骨付きのまま唐揚げにしました。それがザンギの始まりのようです。
ザンギという名前は、中国語に由来しているとされています。
中国での唐揚げを意味する「炸鶏(ザージー)」の単語の真ん中に、幸運を意味する「運(ン)」を入れて「ザー・ン・ジー」と呼び、転じて『ザンギ』という名前になったと考えられています。
他にも同じく中国での唐揚げ料理「炸子鶏(ジャーズージー)」が訛ったとも、鶏肉を「散切り(ざんぎり)」にして料理する様子から付けられたともいわれています。

愛媛県のせんざんき

愛媛県の今治市には、唐揚げにそっくりな郷土料理として「せんざんき」が食べられています。
元々はキジ肉を使った唐揚げだったのですが、現在では下味をつけた鶏肉の唐揚げのこと全般を指す言葉になっています。
お店などによっては、骨付き肉で提供されることもあります。
せんざんきという名前の由来は明確になっていませんが、諸説ある中には、鶏肉を千に切ることに由来する「千斬切(せんざんき)」説。
また、キジ肉を最初使っていたので「せんざん雉」と呼ぶようになったという説、さらに千さんという人が考案したことに由来するという説や、中国語の読みにちなんでいると説などがあります。
現在のようなせんざんきの形になったのは1930年頃といわれており、当時は鶏肉料理で余った骨付き肉にタレを付けて揚げたものをそう呼んでいたそうです。
北海道のザンギと同名ですが特につながりはなく、偶然同様の料理に似たような名前が付いただけのようです。

まとめ

唐揚げは魚や野菜など鶏肉以外の食材も含めて、油で揚げてる食べ物の総称です。そのため、竜田揚げは唐揚げの一種と捉えることができます。
唐揚げと竜田揚げの違いはあるようでない、ないようであるという不思議なものといえますね。
また、唐揚げの名前の由来は、中国(唐)から伝わった揚げ料理なので「唐揚げ」という説が一般的です。それに対し、竜田揚げは2つの説があります。
衣の付いた肉がまるで龍田川に浮かぶ紅葉のようだったからというものと、戦艦「龍田」で出された料理だからというものです。

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July 03, 2020 at 02:00PM
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