Friday, July 3, 2020

骨せんべい界の王者はこの魚だ!(dancyu) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース

■身も旨いが骨まで旨い「サメガレイ」 サメのようなカレイなのでその名がある「サメガレイ」。日本各地の海で棲息するが、主に北の海でとれる大型のカレイだ。どの部分がサメと呼ばれる所以なのか? 答えは肌である。灰褐色の表側は硬い皮に覆われ、何本かのトゲが生えるイボ状の突起が無数にある。触るとザラザラとしてサメ肌に似ているのだ。裏側はブヨブヨのツルツルで、汚れているような白色と灰紫色のまだら模様をしている。まじまじと表裏を見ると、かなり気持ち悪い。全体がネバネバした粘液で覆われていることも、気持ち悪さに拍車がかかる。 しかし、サメガレイは正真正銘カレイの一種。白身の王様と呼ばれるカレイの仲間である。そのため、味はかなりの美味だ。刺身にするとおいしいのはもちろんのこと、サメガレイのうまさが光るのは、刺身を食べたあとの骨でつくる「骨せんべい」にある。五枚おろしにしたあとの骨を油でパリパリに揚げる。それを手づかみで豪快に食べるのがよい。豊かな潮の香りが漂い、サブレにも似たさっくりした歯ざわりが楽しめる。さらに噛み締めれば、少々太くて歯切れのよい枝骨がポキポキという軽快な音をたて、上質なうま味が口いっぱいに広がる。 骨せんべいと名のつくものは多々あるが、数ある魚のなかでもサメガレイのそれは秀逸。海の王者とされるサメの代名詞にならうならば、サメガレイの骨せんべいは骨せんべいの王者である。 サメガレイの骨せんべい 1 ほかのカレイ類と同様、五枚におろして刺身を作ったあと、中骨から枝骨部分を切り取る。2 枝骨部分を揚げやすい大きさに切り分ける。3 塩と胡椒で下味をつけ、薄力粉を薄くまぶす。4 170℃くらいのやや低めの油で揚げ、表面がうっすらきつね色になったらいったんとり出して数分間置く。その後、油の温度を上げて二度揚げする。 --------------- ――解説 「野村祐三」 日本全国の漁師町を精力的に取材して50年。漁師料理に関する経験と知識は右に出る者なし。『旬のうまい魚を知る本』『豪快にっぽん漁師料理』など地魚の著書多数。 --------------- 文:小泉しゃこ イラスト:田渕正敏

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