動物の適正な飼育方法を話し合う環境省の検討会が10日開かれ、同省は繁殖業者やペットショップに対して、犬猫の交配可能年齢や、従業員1人当たりの飼育数などを規制する基準案を示した。交配は犬猫とも原則6歳までに制限。繁殖業者では従業員1人当たりの繁殖犬の飼育数は15匹、猫は25匹までとし、販売業者は1人当たり犬20匹、猫30匹を上限とする。

繁殖・販売業者の一部で、犬猫が高齢になっても繁殖させたり、身動きが取りにくい狭いケージに入れたりするといった劣悪な飼育が問題化。案では例外的に犬が6回未満、猫が10回未満の出産回数の場合には交配を7歳まで認めた。従業員1人当たりの飼育数は繁殖犬や猫のほうが世話に時間がかかるとして人手が多くなるようにした。

また、犬猫を入れるケージの面積は個体差に応じ1・5~3倍で設定。閉じ込めて飼うことを防ぐため、運動スペースの確保と3時間以上の運動を義務化した。

小泉進次郎環境相は同日の閣議後記者会見で、悪質業者を排除する明確な基準と、自治体がチェックしやすい統一的な考え方などを案に記したとし「動物の健康や安全を確保する動物愛護の考えで進める」と語った。

環境省は、違反を繰り返した悪質業者については飼育業登録を取り消す方針。今年夏までに検討会で案を取りまとめ、10月ごろをめどに中央環境審議会に諮った後、来年施行の動物愛護法改正省令に盛り込む。

動愛法には、業者に対する規制についてあいまいな表現しかなく、悪質なケースが発覚しても自治体は十分な監督や指導が行えなかった。このため昨年6月に成立した改正動愛法には、できる限り具体的な基準を省令で設けるよう定められ、環境省が検討を進めていた。(共同)