ユーグレナはこのほど、同社が販売する飲料容器からペットボトル商品を一掃することを決めた。すでに「飲むユーグレナ乳酸菌」などの商品は紙製カート缶で販売しており、既存のペット飲料は同様の容器に切り替える。一部商品のプラ製ストローの有無も顧客が選べるようにする。18歳の小澤杏子CFO(最高未来責任者)が提案・主導した。2021年中には全商品における石油由来のプラ使用量50%削減を目指す。(堀理雄) 同社は9月以降、「おいしいユーグレナ 野菜と乳酸菌」などペットボトル入りの商品を全廃し、紙製のカート缶容器に切り替える。またサイトで販売する紙容器商品について、プラ製ストローの有無を顧客が選択できるようにする。 ペットボトル飲料は、同社の流通飲料売上の35%以上を占める主力商品のひとつ。容器廃止に伴い、スーパーなどで確保されていたペットボトル用陳列棚に商品を置けなくなるため、9月以降の紙容器での陳列継続に向けた店舗への説明など準備を進めているという。 ペットボトル容器の全廃で、同社商品における石油由来プラ使用量全体の4%削減を見込む。2021年中の50%削減の目標に向け、さらに容器の軽量化や商品ラインナップの見直しを進めていく考えだ。
未来を生きる当事者主導の経営方針を
「消費者が意識せずとも環境に配慮した行動をとれる仕組みを、企業が構築すべき」と述べるのは、今回の取り組みを主導する同社の小澤杏子CFOだ。 ユーグレナでは、未来を生きる当事者が経営の議論に参加すべきとの考えから18歳以下のCFO(Chief Future Officer)を募集。500を超える応募の中から2019年10月に小澤CFOと10代の若者8人による「フューチャーサミット」メンバーが選ばれた。任期は2020年9月末までの1年間だ。 小澤CFOとサミットメンバーは就任後、同社の経営状態が「人と地球を健康にする」との理念に沿っているかを調査。議論を重ねるなかで、「環境への意識の高さ、低さに関わらず、消費者が意識せずとも環境に配慮した行動をとれる仕組みの構築を目指す」という方針を策定した。 この方針に基づき、ヘルスケア事業で展開する食品や化粧品に使用するプラスチック削減に着目。年900万トン以上におよぶ国内のプラスチック廃棄(2017年)や、海洋プラごみの削減に向け、2021年中の商品中のプラ使用量50%削減の目標を決めた。同社は今後プラスチックの問題にとどまらず、CFOの方針に沿った環境施策を進めていく考えだ。 小澤CFOは「環境に配慮した行動が他企業にも波及し、そうした行動が当たり前となる世界を実現していきたい」と述べている。
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July 10, 2020 at 09:22AM
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