乱獲による水産資源の枯渇を防ぐため、水産庁が新たに10以上の魚種に漁獲規制を設ける方針であることが27日、分かった。 ブリやマダイなどが候補に挙がっている。中長期的に水産資源を有効活用できるようにする狙いだ。ただ、規制対象の拡大で短期的には漁業者が減収を余儀なくされる可能性があり、反発も予想される。 資源管理の強化を柱とした改正漁業法が12月に施行されるのに先立ち、水産庁が策定する工程表に盛り込む。候補はブリやマダイに加え、カタクチイワシ、ヒラメ、トラフグなど計15種。漁業者らの意見を聞きながら魚種を選択する。 従来の管理方法は資源の減少を食い止めることを優先してきた。今後は一定の漁獲量を確保しつつ繁殖能力のある親魚を長期的に増やす手法に切り替える。漁獲量や資源に関するデータの多いものから来年以降、順次規制の対象とする方針だ。 漁獲規制の対象は現在、サンマやクロマグロなど計8魚種。漁獲量ベースで6割に相当するが、対象魚種を増やして早期に8割へ引き上げる方針が決まっている。 農林水産省によると、日本の総漁獲量（養殖を含む）は1984年の1281万トンをピークに減少傾向が続き、2019年は416万トンにとどまる。海水温上昇といった海洋環境の変化などが理由。資源管理の強化を通じ、30年には養殖を除いた漁獲量を08年と同水準の約440万トンに回復させたい考え。 漁業資源管理に詳しい学習院大の阪口功教授は「後継者不足や水揚げ量の減少が続き、漁村の崩壊が懸念される。資源管理を行えば、長期的には漁獲量も大幅に増え、漁業者にもメリットがある」と話している。 ◇漁獲規制対象の候補魚種 カタクチイワシ、ブリ、ウルメイワシ、マダラ、カレイ類、ホッケ、サワラ、マダイ、ヒラメ、トラフグ、キンメダイ、ムロアジ類、イカナゴ、ベニズワイガニ、ニギス ◇漁獲規制が導入されている魚種 マサバ・ゴマサバ、マアジ、マイワシ、サンマ、クロマグロ、スケトウダラ、スルメイカ、ズワイガニ。
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August 28, 2020 at 05:21AM
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漁獲規制、ブリ・マダイも候補 10魚種以上を追加へ 資源の枯渇防止・水産庁（時事通信） - Yahoo!ニュース
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