岐阜県各務原市の世界淡水魚園水族館「アクア・トトぎふ」と名古屋大(名古屋市)、富山大(富山市)の共同研究チームは、特定の種類の魚が獲物を左右どちらから襲うかという「右利き」「左利き」について、発達初期の段階で捕食を経験することで身に付く傾向があるとする研究結果を発表した。同館ではこの魚を常設展示。池谷幸樹館長は「ゆくゆくは、人の脳や遺伝子の謎にも迫ることができる研究だ」としている。
研究内容は英国の科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。
同館は主に、「利き」が顕著に見られる魚の繁殖に貢献した。研究チームの発表によると、人の利き手と同様、魚を含めた多くの動物にも、体の左右一方をよく使う「利き」があるという。しかし「利き」がいつ、どのように獲得されるかは長年の謎とされてきた。
富山大の竹内勇一助教(神経行動学)らは、謎の解明につながる鍵として、アフリカに生息するペリソダス・ミクロレピスという魚に注目した。この魚は体長11センチほどで、他の魚のうろこを剥ぎ取って食べる習性があるが、個体によって、獲物を左右どちらから襲うかという「利き」の違いが顕著に見られるという。
しかしこの魚は気性が荒く、同じ水槽内で飼育すると共食いすることも珍しくない。飼育例もほとんどなく、繁殖が困難だった。
そこで竹内助教らは2014年頃、同館に繁殖を依頼。同館が研究の末、魚を1匹ずつ入れた水槽を横に並べる「お見合い」を重ねることで、相性のいいオス・メスを見極めた。さらに繁殖の際には、オスとメスの1ペアごとに、縦60センチ、横1メートル80、奥行き60センチほどの巨大水槽を用意し、魚がストレスを感じにくい環境を作ることで、継続的な繁殖に成功。今では同館2階の「タンガニーカ湖」水槽で展示できるまでになった。
研究チームは繁殖成功を受け、右利きのオスと右利きのメス、右利きのオスと左利きのメスというように、様々なペアから生まれた魚の生育過程を調査。幼魚(4か月)、若魚(8か月)、成魚(12か月)に初めて獲物を襲わせて捕食成功率を調べたところ、いずれの生育過程でも、遺伝的な影響を受けることがわかった。
また、成功率は成魚に比べて幼魚が1・3倍、若魚が1・5倍高かった。そのため、「利き」に遺伝的傾向はあるものの、発達初期に獲物を狙う経験をすることで、「利き」を獲得できることがわかったという。
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April 10, 2022 at 05:36PM
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魚にも「右利き」「左利き」がある?…カギは初めての「捕食」に - 読売新聞オンライン
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