新型コロナウイルス禍で増えた在宅での〝癒し〟を求めようと、ペットブームが続く中、無理な多頭飼育やペットへの暴力といった動物虐待も深刻化する。警察庁によると、全国の動物虐待の摘発は、この10年で約6倍にも増えているという。取引が規制されている希少動物の密輸事件も確認され、輸送中に長時間の閉じ込めで死んだケースもあった。無責任な飼い主や業者が後を絶たない。
しつけで「虐待」
今年3月、ある動画が交流サイト(SNS)にアップされると、瞬く間に、広まった。
動画に映っていたのは2匹のコツメカワウソ。つぶらな瞳に、愛くるしい鳴き声が、見る人の心をゆさぶる人気のペットだ。だが動画には、そのカワウソを棒を振り回して追いかけ回す飼い主の女の姿があった。
「キュ、キュ」
棒は当たったようにも見え、カワウソは甲高い鳴き声を上げ、よろけるように身をかがめた。
警視庁は9月、動物愛護法違反(虐待)の疑いでこの女(38)を逮捕。女はカワウソとの日常をインスタグラムに投稿し、約22万人のフォロワーを得ていたとされる。「メスがかみついてくるので、しつけのためだった」。女は、こう容疑を認めたという。
動画を公開するなどして情報提供を求めていたコツメカワウソと触れ合える店「コツメイト池袋店」(東京都豊島区)の長安良明店長(54)は「コツメカワウソはじゃれて甘噛みすることはあるが、棒でたたくのはしつけの範囲を超えている」と嘆く。
この2匹は警視庁が保護した。
無責任も横行
経済産業省によると、ペットやペット用品の販売額は年々拡大。平成27年は2400億円だったが、令和3年は2800億円規模に膨らんでいる。特に新型コロナの感染が拡大した2年は対前年比で8・2%と大幅に増加したという。
一方で、飼い主の無理解や知識不足は散見される。
環境省によると、飼い主が手放すなどし、自治体が引き取った犬猫の数は年々減少傾向にあるものの、令和2年度も計約7万2千頭に達している。
《子供にアレルギーが出た》
《思っていたよりも大きくなった》
《仕事が忙しくなった》
ペットを手放した理由では、実際に、こうした例が確認されているという。
動物虐待による摘発も相次ぎ、警察庁によると、令和3年は約170件に上り平成24年(29件)の約6倍に膨らんでいる。
動物関連法令に詳しい春名・田中・細川法律事務所(兵庫)の細川敦史弁護士は「ペットは10年、20年生きることを前提に、自分のライフスタイルの変化も考えてから飼い始めてほしい」と話す。
強引な密輸も
興味本位や利益優先とみられる強引な密輸も横行しているとされる。
今年6月、成田空港の税関検査で発覚したタイからの密輸では、金属製のお椀(わん)を2つに合わせて球状にしたものの中に、感染症法でタイからの輸入が禁止されている希少な4種のサルが入れられていた。
球は計7つ。職員は手袋をしたままでもぬくもりを感じ、これが発覚の経緯となったという。球の中からは、かすかなうめき声も聞こえたとされる。
7つからは、巾着袋に入れられた計21匹が見つかったが、タイからの8時間にも及ぶフライトに耐えられなかったのか、1匹はすでに死んでおり、残りも衰弱し、多くが死んだ。
警視庁は今月4日、感染症法違反(輸入禁止)などの疑いで、密輸した元ペットショップ経営の男(48)を逮捕。男は「自分で飼育するためだった」と供述しているが、警視庁は転売目的とみている。
環境保護団体の世界自然保護基金(WWF)ジャパンによると、ペット利用される野生動物の令和3年の輸入は推定40万頭を上回り増加傾向にある。密輸も多くなっているとみられ、輸入や許可のない取引が禁止されている動物でも、ペットショップで売られているケースがあるという。
WWFの担当者は「安易に野生動物を飼おうとすると、違法行為に加担する場合がある。飼う場合は感染症の危険もあるため、よく考えてほしい」と訴えている。(橘川玲奈)
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October 18, 2022 at 09:00AM
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