Sunday, October 16, 2022

マイクロチップ義務化とは? ペットを守るテクノロジー - 日経ビジネスオンライン

2022年6月1日に始まった犬・猫へのマイクロチップ義務化。犬・猫に飼い主の情報を登録したマイクロチップを装着することで、迷子になったり、災害・事件に巻き込まれたりしたペットが飼い主の元に戻りやすくするのが主な狙いだ。今回はマイクロチップ義務化に加え、ペット向けの最新テクノロジー「ペットテック」についてこれまでの記事からピックアップする。

犬・猫と飼い主を結ぶ「マイクロチップ義務化」

 マイクロチップ義務化とは、2022年6月1日から開始された「犬と猫のマイクロチップ情報登録」制度のこと。この制度ではブリーダーやペットショップなどで販売される犬・猫にマイクロチップの装着が義務付けられ、購入の際は飼い主の氏名・住所・電話番号・犬または猫の所在地といったデータを書き換えるほか、犬・猫が死んだ際にも届け出が必要となる。

 なお制度開始前から飼っている犬・猫についてはマイクロチップ装着は努力義務。また、マイクロチップが装着された犬、猫を購入または譲り受けた場合は、新たな所有者が30日以内に所有者情報等を変更登録する義務がある。

 マイクロチップ義務化の背景には、阪神大震災や東日本大震災で「迷子の犬猫」「行方不明の犬猫」が大量に発生したことが挙げられる。一部の自治体では鑑札を付けていたすべての犬が飼い主の元に戻れたのに対し、身元確認手段のない犬・猫が飼い主の元に戻れたケースは0.5%だったことから、犬・猫と飼い主を結びつける手段としてマイクロチップが採用されることとなった。

 マイクロチップ義務化のメリットは、犬・猫が迷子になったり、災害や盗難、事故に巻き込まれたりした際に飼い主を見つけやすくなることだ。また一方で、犬・猫を捨てるという無責任な行為を抑止する効果も期待される。

 この記事ではマイクロチップ義務化についての話題と、いわゆる「ペットテック」についての話題をこれまでの記事から紹介していく。

2022年はこんな年! 物価から国際政治まで10のトピックを徹底予測

 動物愛護法の改正により、2022年に始まるマイクロチップ装着の義務化。犬や猫といった愛玩動物に個体識別のためのマイクロチップを埋め込むことで、迷子になった際や災害発生時の保護が容易になり、加えて遺棄防止の効果も期待される。直接の義務対象となるのはペットの販売業者だが、マイクロチップが装着された犬、猫を購入または譲り受けした場合にも登録変更が義務になるなど、飼い主の責任にも踏み込んだ制度だ。

 ペットをはじめとする動物福祉の考えは海外でも広まりつつあり、フランスでは2024年よりペットの店頭での販売が禁止される。また家畜にストレスを与えないよう、狭いおりに入れないなどの動きもあるという。

杉本彩さん「震災のトラウマを抱えるペットに光を」

 被災地で飼い主とはぐれた犬や猫の里親を探す活動に力を入れている、女優の杉本彩さん。杉本さんによると、被災した動物は人間以上のトラウマを抱えていることが多く、飼い主が見つからないことで生活が安定しないケースも少なくないという。

 そのような経験を踏まえ、杉本さんは「万が一、離ればなれになってしまった時のために、(個体識別のできる)マイクロチップを入れることも大切」と語っている。

勃興する「ペットテック」 愛犬や愛猫にウエアラブル端末

 犬や猫へのマイクロチップ装着と並んで注目されるのが、デジタル技術でペットの飼育をサポートするペットテックだ。米ラスベガスで開催されたテクノロジー見本市「CES 2022」でも、多くのスタートアップがペットテック分野の新商品を出展している。

 たとえば、愛犬の心拍数や息づかい、睡眠の質などをモニタリングする「SMART DOG COLLAR」、犬の鼻にあるしわ(ノーズプリント)で個体を識別するアプリ「Petnow」、愛犬の鼓動のリズムを測ることで心の状態を読み取る「イヌパシー」などはその一例だ。

データで愛しさ倍増 猫の行動知らせる首輪デバイス「キャトログ」

 ペットテックの中には猫向けの商品もある。センサーを内蔵した首輪型デバイスを通して、スマートフォン上で猫の行動データをタイムラインで表示する「Catlog(キャトログ)」、猫のトイレの下に敷くことで1日のトイレ回数や体重の情報をチェックできるボード型デバイス「Catlog Board」などで、特に後者はクラウドファンディングでも大きな注目を集めたという。

 これらの商品を開発したベンチャー、RABO(東京・渋谷)は複数のベンチャーキャピタルなどから総額約6億円の資金調達を完了しており、ペットテック分野への世間の関心と期待の大きさが見て取れる。

ペットだって健康に長生きしたい 食とデータで寿命を延ばす

 「人生の相棒となるペットの健康を支える技術革新」への関心は高い。人間が食べるような「手作りご飯」にこだわったペットフードや、毎日の尿量や排尿頻度、体重などを自動で計測してアプリで管理するスマートトイレ「Toletta」、パソコンやスマートフォンを使って獣医師にオンラインで相談、診療が受けられる「みるペット」などは、いずれも人気の商品・サービスとして国内外で注目を集めている。

 少子高齢化が進む中、人生の相棒となるペットの健康を支える技術革新は、まだまだ進みそうだ。

最後に

 マイクロチップ義務化をはじめ、ペットの福祉や健康への注目・関心が高まっている。ペットテック分野の新商品や新サービスも次々に開発されており、飼い主とペットの結びつきは深まる一方だ。一方でペットの遺棄など無責任な飼い主の事例も少なくない。マイクロチップや各種のペットテックによってこうした行為が減少に向かっていくか、引き続き注目していきたい。

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